請願

 

第186回国会 請願の要旨

新件番号 1939 件名 教育委員会制度への国や首長の関与を強化する地方教育行政法の改正に反対することに関する請願
要旨  政府与党は、中央教育審議会の「今後の地方教育行政の在り方について(答申)」を受け、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」(以下「地方教育行政法」という。)の改正作業を行い、第百八十六回通常国会に提出し、教育委員会制度の改正について審議を始めた。その内容は、(一)教育行政の基本的方針となる大綱は、首長が主宰する総合教育会議で教育委員会と協議して首長が策定する(二)教科書採択や個別の教職員人事などは教育委員会の専権事項とするが、同会議で議論することも可能とする(三)教育委員長と教育長を統合した新教育長を設け、首長が直接任命する(任期三年)(四)生徒の安全など緊急の場合に限られている文部科学大臣の是正指示について要件を緩和し国の関与を強めるというものである。現在の教育委員会制度の根幹は、その地域の教育行政は市民の代表である数人の教育委員の合議によって決定することであり、戦後の民主主義の一端である。また教育は、首長の政治的な考え方に左右されてはならず、かつ教育は多様な価値観を含む文化的な営みであり、政治的介入はできる限り抑制的であるべきというのが憲法の精神である。現在の地方教育行政法の下でも、全国学カテストに関わる平均点の公表の押し付けや入学式・卒業式での君が代斉唱の強制など、首長の政治介入によって教育現場に様々な混乱が持ち込まれている。この上首長の権限が強化されることは、学校現場の一層の混乱を招く事態となりかねない。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、地方教育行政法の「改正」を行わないこと。

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