請願

 

第186回国会 請願の要旨

新件番号 1898 件名 難病、長期慢性疾患、小児慢性疾患の総合対策に関する請願
要旨  いわゆる難病と言われる疾患の数は、海外では五千~七千という数字があるが、国内の研究では約五百疾患に収れんされると言われている。多くの患者が原因不明の痛みや症状に悩まされ社会生活上の制限を余儀なくされている中、平成二十五年四月から施行された障害者総合支援法における障害福祉サービスが受けられる難病等の対象範囲は百三十疾患に、患者の医療費負担の軽減策として実施されている特定疾患治療研究事業の対象は五十六疾患に限られている。また、児童の健全育成を目的に小児難病や先天性疾患、小児がんなどの小児期の慢性疾患児を対象に研究と医療費助成を行っている小児慢性特定疾患治療研究事業では十一疾患群五百十四疾患を対象としているが、症状が改善せず治療は続いても二十歳の誕生日を過ぎると医療費助成などの支援策は打ち切られてしまうことや適切な診療体制の確立など、小児期から成人期への移行期の課題が大きな問題になっている。これらの患者の多くは、原因が分からずに治りにくい症状による苦しみと共に先の見えない苦しみを抱え、働く自信をなくして経済的にも不安定な生活を余儀なくされる場合が少なくない。効果的な薬が登場しても高額な薬代を継続して払い続けることができずに治療を中断してしまうことも多くある。
 ついては、患者が安心して治療を受け、地域で人間としての尊厳を持って生活していけるよう、次の措置を採られたい。

一、医療、福祉、年金、介護、就労支援などを含めた総合的な難病対策の実現を急ぐこと。
二、高額療養費制度の見直しを行い、患者負担を軽減すること。生涯にわたって治療を必要とする難病や長期慢性疾患の医療費助成施策の充実を図ること。
三、難病・慢性疾患の子供たちの医療費助成制度の拡充、特別支援教育の充実を進めること。特に小児慢性特定疾患治療研究事業対象者の大人への移行期支援の充実を図ること。
四、全国どこに住んでいても我が国の進んだ医療が安心して受けられるよう、専門医療の充実を図るとともに、医師、看護師、医療スタッフの不足による医療の地域不平等の解消を急ぐこと。
五、都道府県難病相談・支援センターの活動の充実と患者・家族団体の活動を支援し、難病問題についての国民的な理解を促進するため、全国難病相談・支援センターの設置を検討すること。

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