請願

 

第186回国会 請願の要旨

新件番号 1402 件名 介護保険制度の緊急改善に関する請願
要旨  二〇一二年四月から実施された介護保険の見直しは、利用者、事業所に様々な影響をもたらしている。ヘルパーによる生活援助の時間短縮によって、洗濯や買物などの不可欠な援助が削られ、利用者の日常の生活に深刻な困難が生じている。訪問介護や予防サービス、施設などの中心的な事業に対する介護報酬の大幅な引下げは、事業所の存続そのものを左右しかねない事態を生み出しており、小規模の事業所では事業の縮小や廃止を余儀なくされるところも出ている。高齢者の介護保険料は、二〇一二年四月から全国平均で五千円近くになった。重い利用料の負担のため、必要なサービスであっても利用を断念するケースは後を絶たない。家族介護が限界になっても特養などの施設にすぐに入所できない状況もそのままである。慢性的な人手不足の中で介護現場は一層厳しさを増しているが、抜本的な処遇改善も見通せないまま推移している。利用者、介護現場が抱えている現状の困難を早急に打開するために、介護保険制度の緊急改善が必要である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、保険料、利用料などの費用負担を減らすこと。低所得者の負担を軽減すること。
二、ヘルパーの生活援助の見直しを撤回し、利用者が安心して生活できるよう内容を拡充すること。
三、次回改定を待たずに介護報酬を大幅に引き上げること。その際、支給限度額の引上げを始め、必要なサービスの利用に支障が生じないよう対策を講じること。
四、特別養護老人ホームを始めとする施設の整備を急ぐこと。
五、介護に働く全ての職員が生き生きと働き続けられるよう、国の責任で抜本的な処遇改善を実施すること。

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