請願

 

第186回国会 請願の要旨

新件番号 292 件名 日本農業と地域経済、暮らしと雇用を壊すTPP(環太平洋経済連携協定)に参加しないことに関する請願
要旨  自由民主党は、先の衆議院選挙で「聖域なき関税撤廃を前提条件とする以上、TPP交渉参加に反対」と公約し、政権与党の座に着いた。ところが安倍首相は「TPPについては、国益にかなう最善の道を求める」とし、TPP参加に前向きな姿勢を示している。アメリカと財界の要求のままに国の形を変えてしまうTPPに参加することになれば、東日本大震災被災地の農業や水産業の再建・復興への道は閉ざされ、国民の暮らしや日本経済も大変なことになる。農林水産省の試算では、日本の食料自給率は現在の四〇%から一三%に激減し、米の自給率も一〇%以下になってしまう。地球温暖化の進行を食い止め、食料危機を解決することは人類の緊急課題であり、どの国も農業や漁業、林業を振興する政策をとっている。日本が食料生産を高め国土を保全することは、日本と世界の人々に対する責任である。内閣府調査でも、食料自給率を高めるべきと答えた人が九一%、将来の食料輸入に不安があるとの回答が八六%に上っている。しかも、TPPの影響は農業にとどまらず、関連産業を含めて三百五十万人もの雇用が失われ(農林水産省試算)、TPPに参加しない場合に想定される雇用減八十一万人(経済産業省試算)をはるかに超え、北海道庁も地域経済への打撃は破壊的であると報告している。今、全国で農漁業にとどまらず、医療関係者や消費者など広範な人々が反対の声を上げている。この十数年、アメリカを先頭に自由貿易が推奨され、日本の輸出大企業は非正規雇用への置き換えや賃下げ、下請単価切下げなど極限のコスト削減でばくだいな利益をため込む一方で、千百万人がワーキングプアという貧困と格差社会がつくられた。今回、TPPが一気に浮上してきた背景にも、日本をもうけの市場にしたいアメリカ政府と輸出大企業の一層の利益を追求する日本財界の大きなたくらみがある。
 ついては、国民の暮らしと雇用、日本農業と地域社会を守るため、次の事項について実現を図られたい。

一、TPPへの参加をしないこと。

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