請願

 

第186回国会 請願の要旨

新件番号 223 件名 歩行障害児、者のための自走式足こぎ車椅子導入支援、徹底活用に関する請願
要旨  脳の病気等によるリハビリの健康保険適用期間の上限は、原則百八十日までである。その結果、退院を余儀なくされ、リハビリを自宅で十分に行うことができず、改善しかけた身体機能が再び後退してしまう人がいる。また、先天性の麻痺(まひ)や若くして事故、病気の後遺症、神経難病に悩む人もたくさんいる。そのような背景がある中、歩行障害を持つ人の生活の質を良くする手助けをしたいとつくられた車椅子が、自走式足こぎ車椅子であり、このような人に日常利用してもらうことで、本人の自立への第一歩とし、介助者の負担軽減とし、歩行障害者の経済貢献の一助とすべきである。自走式足こぎ車椅子は、僅かな脚力で走行でき、心肺機能への負担が少なく、関節の可動域の保持・増強に加え、体幹筋力、姿勢バランス保持や空間認知訓練など、全神経を動員した総合的な訓練効果が見込まれ、リハビリ的には素早い効果が期待できる。従来、人を運ぶだけの道具であった車椅子を、歩行障害者自身の残存能力で移動することを促すことで、自立への一歩を踏み出すことへの身体的、精神的支援が可能となる。現在、我が国で行われているリハビリテーションに、自走式足こぎ車椅子を用いた足こぎ車椅子療法を積極的、徹底的に加えることで、医療現場、介護現場、在宅介護等、様々なリハビリテーション現場での相乗効果をもたらすことができる。しかしながら現在、我が国での自走式足こぎ車椅子にかかる補助、助成は、医療機関にかかる診療報酬及び介護施設でのリハビリテーション施術にかかる些少(さしょう)な報酬と介護保険制度での貸与のみであり、介護保険制度に該当しない者、歩行障害を持つ身体障害児・者、神経難病患者などには一切の補助がなく、早急な補助、助成体制の拡充を求める。また、当該治療を行うための医療技術を持った医師及び理学療法士の増強が必要であり、この点についても改善のための施策を求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、緊急措置として厚生労働省「補装具費支給事務取扱指針について(障発〇三一五第四号最終改正平成二十五年三月十五日)(いわゆる、補装具の一覧)」に自走式足こぎ車椅子を追加し、補助、助成の対象とすること。
二、介護・養護施設における「足こぎ車椅子療法」の施術報酬を引き上げること。
三、リハビリテーション専門医及び理学療法士に徹底した「足こぎ車椅子療法」に関する医療技術を習得させ、同療法に基づく治療が可能なように育成すること。

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