請願

 

第186回国会 請願の内閣処理経過

件名 難病、長期慢性疾患、小児慢性疾患の総合対策に関する請願
新件番号 1898 所管省庁 厚生労働省 内閣処理経過受領年月日 H26.11.14
処理要領 一 難病対策については、第百八十六回国会において難病の患者に対する医療等に関する法律(平成二十六年法律第五十号。以下「難病法」という。)が成立したところである。難病法においては、難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るため基本方針を定めることとしており、今後は、その具体的な内容について検討することとしている。
二 高額療養費の見直しについては、「社会保障制度改革国民会議報告書」(平成二十五年八月六日社会保障制度改革国民会議取りまとめ)及び持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律(平成二十五年法律第百十二号)を踏まえ、負担能力に応じた負担を求める観点から、所得区分を細分化し、所得が相対的に低い者の自己負担限度額を引き下げること等の措置を講じることとしたところである。難病に係る医療費助成については、難病法において、その費用を義務的経費化するとともに、対象疾病を大幅に拡大し、公平かつ安定的な制度とすることとしている。
三 現在、小児慢性特定疾患治療研究事業により、慢性的な疾病を抱える児童等に対して医療の給付等を行っている。当該事業を含め、慢性的な疾病を抱える児童等に対する支援の充実を図るため、第百八十六回国会において児童福祉法の一部を改正する法律(平成二十六年法律第四十七号。以下「児童福祉法改正法」という。)が成立したところである。同法において、小児慢性特定疾病を抱える児童等に係る医療費助成について、難病に係る医療費助成と同様に、その費用を義務的経費化するとともに、対象疾病を大幅に拡大し、公平かつ安定的な制度とすることとしている。
  小児慢性特定疾病を抱える児童等の成人期に向けた支援については、難病に係る医療費助成の新たな制度を構築する中で、その対象疾病を拡大することとしているほか、引き続き、必要に応じて、既存の他の医療費助成制度等による支援を行ってまいりたい。また、成人期に向けての地域における自立支援の充実を図るために、児童福祉法改正法により、新たに、地方自治体及び医療、教育等の関係者が一体となって自立支援を行うための事業を児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)に位置付けたところである。
  難病・慢性疾患等の障害のある幼児、児童及び生徒に対しては、教育基本法(平成十八年法律第百二十号)及び障害者基本法(昭和四十五年法律第八十四号)の趣旨を踏まえ、特別支援学校、特別支援学級等において一人一人の障害の状態等に応じた教育を行う等、特別支援教育の充実に向けた取組を進めており、第百八十六回国会にて決議された児童福祉法の一部を改正する法律案に対する附帯決議の趣旨も踏まえつつ、その充実を図ってまいりたい。
四 難病の医療体制については、入院治療が必要となった重症の難病患者に対し、適時に適切な入院施設の確保等ができるよう、地域の医療機関の連携により医療体制の整備を図っている。難病法においては、基本方針の中で、難病患者に対する医療を提供する体制の確保に関する事項を定めることとされており、患者が地域で適切な医療を受けられる体制を構築できるよう、今後も引き続きその具体的な内容について検討を行うこととしている。
  医師の確保については、平成二十年度以降、医学部入学定員を増員してきており、平成二十六年度の医学部入学定員を過去最大の九千六十九名としているほか、地域における医師が不足している病院に対する医師確保の支援等を行ってきたところである。
  看護師等の確保については、これまでも、看護師等の人材確保の促進に関する法律(平成四年法律第八十六号)に基づき、看護師等の資質の向上、養成の促進、定着の促進、再就業の支援等の総合的な対策を推進してきており、就業者数は毎年着実に増加している。
  また、医師及び看護師等の確保、定着促進、再就業の支援等の更なる強化を図ること等を内容とする地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律(平成二十六年法律第八十三号)が成立している。
五 各都道府県に設置された難病相談・支援センターの活動を支援するため、特定疾患医療従事者研修事業等の全国的な実施等に取り組んでいるところである。
  また、難病の患者の療養生活の質の維持向上を図るため、難病相談・支援センター事業を含む療養生活環境整備事業を難病法に位置付けたところであり、今後も、研修事業を行うとともに、全国の難病相談・支援センターにおける相談事例などの情報を共有するためのネットワークを活用し、他の難病相談・支援センターとの連携強化・相互支援に取り組んでいくこととしている。

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