請願

 

第185回国会 請願の要旨

新件番号 1063 件名 特定秘密保護法案の廃案に関する請願
要旨  十月二十五日、特定秘密保護法案が国会に提出された。この法案が成立してしまうと国家が情報を独占し市民の知る権利が封じられ、市民全てが監視対象となり、民主的な批判を起こせなくなるなど社会に多大な影響を与えることになる。特定秘密保護法案では、範囲が(一)防衛(二)外交(三)「特定有害行為」防止(四)「テロリズム」防止となっている。しかし、その範囲は曖昧で非常に広く解釈することが可能であり、「国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがある情報」という理由によって、首相、外相、防衛相、警察庁長官などの行政長が勝手に秘密を指定し、福島原発事故の汚染水の現状や健康被害の実態など政府にとって不都合な事実が隠蔽されてしまうことになる。秘密とされる期間は、最長五年とされているが、政府の都合で更新は何回でも可能、六十年を超えても「例外七項目」を口実に半永久的に秘密を保持することが可能となる。第三者機関に関しては附則で設置を検討するとされているにすぎない。秘密とされた事項に関しては国会審議も全面非公開となり、情報漏えいがあれば国会議員も懲役刑を受けることとなる。政府が勝手に指定する特定秘密を漏らした国家公務員を始め、その情報を求め関わったジャーナリスト・市民にも懲役が科されることになる。どの情報が秘密であるかすら「秘密」とされるため、情報開示への萎縮をもたらす。威嚇効果は大きく、知りたいと願う市民の活動が抑圧され、逮捕・拘留・家宅捜査などへの恐怖から情報公開での普通の情報も開示されなくなる。さらに、適性評価の名の下、全市民が国家の監視対象となる。こうした懸念を背景に最新の世論調査では、国民の五割以上が法案に反対し、どの世論調査でも七割から八割が慎重議論を求めている。福島公聴会では全陳述者が法案に反対・慎重審議を求めた。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、国家が情報を独占し、市民の「知る権利」を封じる危険性のある特定秘密保護法案を廃案にすること。

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