請願

 

第185回国会 請願の要旨

新件番号 954 件名 練馬区関越道高架下利用計画等に関する請願
要旨  練馬区の関越道高架下利用計画は、築四十二年を経過した関越道大泉区間の高架下一キロメートルに、高齢者センター、リサイクルセンター等公共施設を造り、「人でにぎわうまちづくりの拠点」にする(年間十万人利用目標)という、広大な計画である。しかし、区の計画案は、いまだ地域住民の合意はなく、昨年、国土交通省通達により、債務返済機構が行ったパブリックコメントでも、ほぼ全員(二百三十四筆中、二百三十三筆)が計画案反対という結果であった。特に老朽化した高架下に高齢者センターを造ることには、災害時、被害拡大の危険性があり、防災、減災、安心安全とは逆行しており、高架下以外の場所に造るよう、強く求めている。計画地では、東日本大震災時もコンクリート破片の落下や、防音壁のねじ部亀裂等があり、現在も橋の補修工事を行っており、笹子トンネル崩落事故や首都直下型地震の懸念等を考えると、M七の耐震性がある橋脚部補強を行った程度で安全宣言し、高架下を人の集まる場所にすることは、災害時、命の危険がある。道路の大改修工事の際は、高架下の建物は撤去しなければならない。現在築四十二年の高架下に、六十年耐用の公共施設を二個、十億円で造っても、除却の可能性は大きく補助金を含む税金の無駄使いである。一日十万台を超える車両交通量がある道路高架下は、騒音、振動、排気ガス、日が当たらない等、劣悪な環境で、人が長時間とどまるような場所ではない。現在でも、騒音は、住宅地の基準値を著しく超えている。多数の橋脚に加え高架下の建物で視界が遮断されれば、車両運転者の視距も妨げられ、歩行者、運転者双方にとって更に危険地域になり、夜間の痴漢等犯罪増加も懸念される。そもそも関越道は、建設時に公団と住民との協議で、地域の分断を避ける、災害時の逃げ場の確保、住宅地に風が通るようにとの理由で、土盛り方式から高架式になり、高架下は空けておくという条件で着工された経緯があり、文書が残されている。区の言い分に追従するのではなく、精査し、見解を示すことを求める。高架下では、多くの橋脚を避けながら施設を造るため、構造上、独立した箱形を数個、細い廊下でつなぐような、使い勝手が悪く、建築費、維持管理費共に非効率である。第一に、国土交通省通達の「高架下占用許可基準」を、違反しなければできない建物である。(橋脚周囲一・五メートル空けられない等道路管理上も危険である。)
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、練馬区の関越道高架下利用計画は、地域住民の合意形成がないので、占用を認めないこと。
二、老朽化した関越道高架下に、人の集う「高齢者施設」等建物の、占用申請は認めないこと。
三、債務返済機構・NEXCO等、占用申請窓口から許可に関わる各機関へ、国土交通省通達「高架下占用許可基準」の徹底遵守を、指導、監督すること。
四、「社会資本老朽化対策」や「長寿命化指針策定」等における、新基準の運用時期まで、関越道高架下利用の申請を、凍結するよう、各関係機関に通達すること。
五、「道路空間のオープン化」において、リスクの大きい老朽化した高架下利用については、国民の命を守る観点第一に、別途、厳しい基準を設けること。

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