請願

 

第185回国会 請願の要旨

新件番号 593 件名 戦時性的強制被害者問題解決促進法の制定に関する請願
要旨  政府は戦時慰安婦問題は決着済みとして法的責任を拒否しているが、多くの被害者及び被害国政府は、そうした態度を受け入れていない。二〇一一年九月、韓国政府は「政府が慰安婦問題解決に関して日本政府と外交交渉をしないのは憲法違反である」との韓国憲法裁判所決定を受け、日本に対して政府間協議を申し入れた。しかし、政府は韓国政府の協議要求に応じていない。政府が道義的責任を果たすとして始めた女性のためのアジア平和国民基金は、韓国、フィリピン、中国、台湾、北朝鮮など多数の被害女性の尊厳を回復するものではなく、多くの関係者に拒否されたまま償い金事業は終了、基金は二〇〇六年度をもって解散した。慰安婦裁判は次々と敗訴し、被害者の救済と名誉回復のめどは立っていない。政府は、国連人権委員会・理事会、国連人権規約委員会、ILOから再三、慰安婦問題の解決を促す勧告を受け、二○○七年には、アメリカ、オランダ、カナダ、EU議会で同趣旨の決議が採択された。二〇〇九年には国連女性差別撤廃委員会から「被害者への補償、加害者処罰、一般の人々に対するこれらの犯罪に関する教育を含む永続的解決への緊急な努力」を再度勧告されている。政府がこれ以上こうした国際世論に応えず、責任ある対応を拒否し続けることは許されない。侵略戦争によって人間の尊厳と女性の人権を極限まで踏みにじった慰安婦問題を放置したままでは、アジアや世界において諸国民との信頼を築き、名誉ある地位を占めることを目指す日本国憲法の精神を達成することはできない。慰安婦問題が「当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である」と認めた河野洋平内閣官房長官談話(一九九三年)と真摯に向き合い、慰安婦問題解決のための法律制定により公式謝罪、補償など最終解決を行い、次世代への正しい歴史教育を行うことは、国際的責務である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、法律制定により「戦時慰安婦」問題の最終解決を行うこと。

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