請願

 

第183回国会 請願の要旨

新件番号 1912 件名 憲法第九条の改定に強く反対し、改定をしやすくする憲法第九十六条の改定を行わないことに関する請願
要旨  日本国憲法は、日本で三百十万人、アジアで二千万人にも及ぶ犠牲者を出した戦争への深い反省から、平和と民主主義の願いを込めて作られた。戦争の放棄を定めた第九条は、戦争のない世界を目指す流れの先駆けとしての役割を果たしてきた世界の宝である。ところが安倍首相は、二〇〇七年五月改憲手続法を成立させ、続いて憲法「改正」原案、「改正」の発議等を審査する憲法審査会を立ち上げた。そして、第二次安倍内閣では、歴代自民党の首相が言えなかった集団的自衛権行使の検討・追求を明言、憲法改正に向けた国民的な議論を呼び掛けている。同時に「国家安全保障基本法」を制定することによって集団的自衛権を行使できるようにしようともしている。これは、日本をアメリカと一緒に軍事行動ができるようにするものであり、憲法第九条の精神を踏みにじるもので到底認められない。さらに、自民党・安倍内閣は、憲法第九十六条に示されている憲法改正の発議要件を、三分の二以上の賛成から過半数に緩和し、改憲をしやすくするため、憲法審査会の審議を促進しようとしている。これは、権力者に都合の良い改憲を安易にされないようにした手続を緩和しようとするもので、許されない。憲法第九条をないがしろにする集団的自衛権の行使を断じて認めることはできない。
 ついては、憲法第九条の精神を守り、日本と世界の平和のためにいかすため、次の事項について実現を図られたい。

一、憲法第九条の改定を行わないこと。
二、憲法第九十六条の改憲発議要件の緩和を行わないこと。

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