請願

 

第183回国会 請願の要旨

新件番号 787 件名 中国残留孤児の配偶者の生活支援に関する請願
要旨  中国残留孤児は、一九四五年の日本敗戦時、幼くして中国(主に旧満州)に取り残され、四十歳、五十歳を超えてようやく祖国日本に帰国できたが、日本語も話せず、ふさわしい就職先もあっせんされないまま、低賃金・重労働な仕事への就労を余儀なくされ、貧しい生活を強いられてきた。しかし、こうした境遇は、戦前戦後の国策がもたらしたものであって、残留孤児自身の責任によるものではない。そこで、残留孤児の約九割、二千二百十一名が原告となって国家賠償訴訟を起こし、その結果、二〇〇七年議員立法により「中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の一部を改正する法律」(新支援法)が成立し、国民年金の満額支給と支援給付金の支給などを内容とした新たな支援策が採られることとなった。こうして、残留孤児の老後の生活保障は大きく前進した。しかし、現在の支援策では、中国残留孤児が死亡した場合、その配偶者は残留孤児本人が受給していた満額の国民年金がなくなってしまうため、その生活は生活保護とほぼ同水準のものとなってしまう。そのため、残留孤児たちは自分の死後の配偶者の生活に対して大きな不安を抱いている。残留孤児は、中国の地で日本の侵略戦争の責任を一身に背負わされ、迫害を受けるなど苦難の人生を過ごしたが、その配偶者たちは、残留孤児と共に苦難を分かち合い、残留孤児が日本に帰国する際には父母兄弟と別れて日本に来た人たちであり、残留孤児を救い、育てた養父母と共に忘れてはならない恩人である。
 ついては、残留孤児の配偶者が、残留孤児が死亡した後も尊厳のある安定した老後生活を送れるよう、次の事項について実現を図られたい。

一、中国「残留孤児」が死亡した後も、配偶者がその生活水準を維持できるよう新支援法を改正して、手厚い支援をすること。

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