請願

 

第183回国会 請願の要旨

新件番号 683 件名 人間らしく働き生活できる雇用の実現に関する請願
要旨  大震災と原発事故が雇用を揺さぶり、深刻な影響が全国に広がっている。派遣や有期、パートなど非正規労働者が雇用の調整弁とされ、仕事の大幅な減少や解雇・雇い止めが広範に起きており、取り分け被災地の状況は深刻である。人間は機械や物ではない。派遣村や大震災の教訓は、生活の安定こそ日本経済の再生と震災復興の土台だということである。雇用の在り方を大本から見直し「不安定雇用の拡大と賃下げ→内需の縮小、競争力確保(輸出拡大)→円高」という悪循環を断ち切り、普通に働けば人間らしい生活ができる雇用の再生が必要である。解雇・雇い止めに対する実効ある法規制とともに「期間の定めのない直接雇用」と「均等待遇」を原則として、働き続けられる安定した雇用を実現する必要がある。雇用の質も大切であり、人間らしい生活ができる賃金保障が求められる。世界にも例のない長時間・過密労働を見直し労働時間を短縮することが、人間らしい生活のためだけでなく、雇用創出にとっても重要な課題である。失業・失職時の総合的な生活保障を確立することは、人々の生活破壊を食い止め、質の悪い仕事をはびこらせない鍵となっている。ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現で、生きがい、希望の持てる社会の創造を求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、全ての労働者に働き続けられる安定した雇用を保障すること。労働者派遣法の抜本改正と解雇・雇い止めに対する実効ある法規制を実現するとともに、有期雇用は臨時・一時的な業務に限定し、正規雇用が当たり前の社会を目指すこと。
二、人間らしい生活を保障する賃金の底上げを進め、ワーキング・プアをなくすこと。全国一律最低賃金制を実現し、全ての労働者の時給を千円以上とすること。
三、均等待遇原則を義務付け、雇用形態や性別などによる賃金差別・格差をなくす法規制を行うこと。パート労働法を改正し、同じ仕事には同じ賃金を保障すること。
四、労働時間を短縮し、過労死のない人間らしい労働と生活を実現すること。労働時間の上限規制に加え、深夜・休日、変形労働時間制への規制を強化すること。
五、失業給付の拡充を始め、失業時の漏れのない総合的な生活保障を法整備すること。特に東日本大震災の被災地について、生活と復興を支える生活支援を緊急に拡充すること。

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