請願

 

第183回国会 請願の要旨

新件番号 501 件名 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願
要旨  我が国では腎疾患(腎臓病)患者は一千万人を超えると言われている。腎臓病は沈黙の病とも言われ、早期発見が大変難しい病気である。一旦腎臓病を発症すると、治療には長くて根気強い闘病が必要となる。また、腎臓病は重症化しやすく、末期腎不全になると生命を維持するためには、人工透析を続けるか腎臓移植をするしか方法はない。最近は糖尿病の合併症として腎不全を発症する患者が急増している。そのような腎臓病患者を一人でも少なくし、国民が健康で毎日を送るためには、発症してからの対策、医療ではなく、発症を予防するための施策が重要であり、また、発症しても、医療と施策によりその重症化をとどめることが必要である。腎臓病はもちろん、糖尿病も決して生活習慣から発症する病気ではない。発症の原因を患者個人の責任にするだけでは腎臓病患者はなくならず、広く国民的課題として国を挙げた取組が必要である。また、末期腎不全となる患者は高齢化しており、通院を始めとする生活に課題が山積している。これは超高齢社会である我が国において、一般の高齢者にも共通する問題でもあり、患者がより良い生活が送れる社会の実現は、一般の高齢者が安心で充実した毎日を送れる社会の実現につながる。慢性腎臓病(CKD)の重症化を防ぐための研究や腎疾患対策の予算化などが実現しているが、腎疾患総合対策が実現しているとは言えない。腎疾患総合対策が確立し、国民が腎疾患から守られる日が早く達成されるよう求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、腎疾患の発症と重症化予防に向けた総合的な対策が進むように努めること。
二、介護が必要な腎臓病患者が介護保険を利用できるように検討すること。取り分け通院困難な透析患者の通院を保障する体制の公的な整備を検討すること。
三、どこで大災害が発生しても人工透析治療を受けることができるように努めること。
四、腎臓に対する再生医療の研究が進むように努めること。

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