請願

 

第180回国会 請願の要旨

新件番号 2444 件名 身体障害者手帳等級の改善に関する請願
要旨  現在、視覚障害の等級決定は、矯正視力による「両眼の視力の和」となっており、かねてより疑問や改善を求める声が多く出されていた。ロービジョン(弱視者)の場合、よく見えるようになるわけではなく、視力に左右差のある場合、よく見える方でしか見えないのが一般的であり、両眼の視力を合算して障害の程度を認定するには無理がある。身体障害者手帳は、障害者が社会参加するための支援や制度を活用するための証(あかし)であり、障害の程度等級によって受けるサービスに制限が設けられている。厳しい社会情勢の中で、障害年金は障害者にとって命綱と言える。年金等級は、身体障害者手帳等級と同様に「両眼の視力の和」で決められ、当然受けられるはずである視覚障害者が、「両眼の視力の和」によって受けられないこと、そして、医療費助成制度においても同様に等級による制限がある。この二つは、障害者が自立する上で欠かせない制度であり、不合理な障害認定によって排除されている状況を改善してほしいと、多くの視覚障害者は望んでいる。障害程度認定は「良い方の眼の視力で測ってほしい」というのがロービジョン当事者の願いであり、障害者手帳の交付を受け、制度・サービスを受けているのは、当事者の一部にすぎない。多くの視覚障害者が制度の外に置かれており、制度の欠陥を正し、誰もが安心して自立できる支援・制度にしなければならない。改善によって、多くの視覚障害者が社会参加できるようになるため、早急な身体障害者関係法の改正を求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、視覚障害に関わる身体障害者手帳等級の認定は、「両眼の視力の和」ではなく「良い方の眼の視力」とするように改めること。

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