請願

 

第180回国会 請願の要旨

新件番号 2443 件名 ダンス規制法の見直しに関する請願
要旨  現在、営業目的で「ダンス」をさせることが、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(以下「風営法」)で規制され、ダンスが許可制になり、様々な条件が設けられている。風営法は、「風俗営業」を対象に、「善良の風俗と清浄な風俗環境を保持」することを目的にしているが、ダンスをすることは、風俗や環境を乱さない。文部科学省は、平成二十四年度よりダンスを中学校体育の必修科目としたが、その指導に当たっても「ダンスとは、古今東西老若男女が楽しむ身体活動」と位置付けて「表現や踊りでの交流を通して仲間とのコミュニケーションを豊かにする」(新学習指導要領)としている。授業では、「ロックやヒップホップなどのリズムの曲を組み合わせ」「つい踊りだしたくなるような状況を作りましょう」と指導計画を示している。ダンスカルチャーは、世界的にも市民権を得ており、オリンピックの開会式でもディスクジョッキー(DJ)が登場している。同時にクラブ、ライブハウスは、そこで営業する人を始め、多くの雇用や消費を生み出す経済活動の場でもある。ドイツ、ベルリンのように国や市で、政策の一環としてクラブの活性化を図り、魅力や成長の一助としている都市もある。現在の風営法は、売買春を防止する目的で、終戦直後の一九四八年に制定された。学校でダンスが教えられる一方、いまだに法律で踊ることを規制するのは、時代にマッチしない。多くのクラブ、ライブハウスは健全に音楽、踊りを通じて人と人が人間的に触れ合う交流の場であり、青少年の健全な育成に向けて、薬物や暴力の排除・根絶、地域住民との融和に取り組んでいる。
 ついては、音楽家、アーティストを輩出し、新しい文化を生み出す場としてのクラブ、ライブハウスなどを守り発展させるため、次の事項について実現を図られたい。

一、風営法の規制対象から「ダンス」を削除すること。
二、行政上の指導は、「国民の基本的人権を不当に侵害しないよう」に努め、「いやしくも職権の乱用や正当に営業している者に無用の負担をかけることのないよう」とする第百一回国会附帯決議(衆議院一九八四年七月五日)や「解釈運用基準」(二〇〇八年七月十日)に基づき適正に運用すること。
三、表現の自由、芸術・文化を守り、健全な文化発信の施策を拡充すること。

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