請願

 

第180回国会 請願の要旨

新件番号 1542 件名 国民の安全・安心を切り捨てる地方分権や道州制を行わないことに関する請願
要旨  東日本大震災は、未曽有の被害と原発事故をもたらし、避難した人たちは住み慣れた地に戻るめどすら立っていない。追い打ちを掛けるように、全国各地で相次いで豪雨災害に見舞われ、日本は災害列島と呼ばれるほど、どこで暮らしていても自然の脅威にさらされている。東海・東南海・南海地震などの大規模地震も切迫しており、国民の安全・安心を守るための防災やインフラ整備は緊急な国民的課題となっている。こうした災害を未然に防止・軽減するためには、河川・道路・港湾などの社会資本の維持管理やその役割を担う地域建設業の役割が欠かせない。現在の社会資本は、戦後の高度経済成長期に多くが建設され、老朽化が著しく、放置すれば、国民生活の安全・安心に影響を及ぼしかねない。耐用年数が経過した施設の更新には年間約二十兆円もの費用が必要とされ、財政難の中では、今後、計画的な維持管理を施して、新規構造物よりも既存施設を長持ちさせていく方向に公共事業を転換させる必要がある。同時に、防災や施設の維持管理の最前線に立つ地域建設業を、その担い手にふさわしく再生しなければならない。地域社会を支えてきた地域建設業は、生活・防災予算の抑制や競争激化により、産業自体が消滅しかねない重大な危機に陥っている。しわ寄せは、企業の存続だけでなく、技術の継承や建設労働者の確保困難などに及び、建設業の基盤が崩壊し始めており、全国各地で地域の安全・安心が守られない事態が広がっている。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、被災地の復興、公共事業を防災・生活・環境保全優先に転換すること。 
 1 国の責任を放棄し、国民の安全・安心を切り捨てる、十分な財源の確保を伴わない「地方分権」や「道州制」は行わないこと。

一覧に戻る