請願

 

第180回国会 請願の要旨

新件番号 1521 件名 心の健康を守り推進する基本法の制定に関する請願
要旨  今の日本は、「国民の心の健康の危機」と言える状況にある。毎年三万人以上が自ら命を絶ち、三百二十万を超える人々、つまり国民の四十人に一人以上が精神疾患のため医療機関を受診しているという数字が、そのことを象徴的に表している。引き籠もり・虐待・路上生活など社会問題の多くの背景にも、心の健康の問題がある。世界保健機関(WHO)は、病気が命を奪い生活を障害する程度を表す総合指標(障害調整生命年)を開発し、政策における優先度の指標として提唱している。この世界標準の指標により、先進国において命と生活に最も影響するのは精神疾患であることが明らかになった。それに続くがんと循環器疾患と併せて、精神疾患は三大疾患の一つと言える。欧米ではこの指標に基づいて国民の健康についての施策が進められているが、日本ではそうした重要度にふさわしい施策が採られてきていない。心の健康の危機を克服し、安心して生活ができる社会、発展の活力のある社会を実現するためには、心の健康を国の重要施策と位置付け、総合的で長期的な政策を実行することが必要である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、精神疾患は、三大疾患の一つである(世界保健機関WHOの「命と生活障害の総合指標」による)。その重要性にふさわしく、国民の全てを対象とした、心の健康についての総合的で長期的な政策を保証する、「心の健康を守り推進する基本法」を制定すること。

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