請願

 

第180回国会 請願の要旨

新件番号 842 件名 学費負担軽減と私大助成の大幅増額に関する請願
要旨  私立大学・短大には大学生の約七五%、約二百二十七万人が学んでいるが、学費は国立大学の一・六倍と高額で、初年度納付金は百三十一万円以上にもなる。奨学制度も国公立大学に比して著しく乏しく、学費負担は世界でも類を見ないほど過重であり、学生の多くは生活費を捻出するためにアルバイトに追われている。また、教員一人当たりの学生数は国立大学の三倍近くになるなど教育環境の整備も後れており、私立大学の教育・研究条件は国公立大学に比べ劣悪である。私立大学がこうした状況に置かれている要因は、私立大学への国の補助が余りに低いことにある。国の補助を学生一人当たりに換算した額は、国立大学が百八十八万円であるのに対して、私立大学は僅か十四万円、国立の十三分の一でしかない(二〇〇九年度)。一九七五年に私立学校振興助成法が成立した際には、私立大学への補助を「できるだけ速やかに(経常費の)二分の一とするよう努めること」との国会附帯決議が採択されている。しかし、経常費に対する補助割合は低下を続け、二〇〇九年度では僅か一〇・八%にまで落ち込んでおり、諸外国と比較しても日本の高等教育への公財政支出は極端に低く、国内総生産(GDP)に占める公財政支出の割合はOECD加盟国中、下から二番目である。この結果、憲法に保障されている教育の機会均等が根底から脅かされている。政府に、高等教育を受ける権利を保障する政策を確立することを求める。東日本大震災という未曽有の苦難に直面した今日、被災した在学生・入学生の修学・就学の機会確保のために十分な措置を行うことも政府の責務である。私立大学の過重な学費負担を少なくとも国公立大学程度にまで軽減すること、私大助成の増額により私立大学の教育・研究条件を改善・充実することを求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、私立高校生と同様に、私立大学生の学費負担を大幅に軽減する新たな助成制度を創設すること。
二、無利子奨学金を希望者全員が受給できるように拡大すること。また給付制奨学金を創設すること。
三、経済的に苦しい学生に対する授業料減免や奨学金支給を全ての私立大学で実施できるよう補助を行うこと。
四、私立大学の経常費に対する補助を、国会附帯決議どおり速やかに二分の一とするよう増額すること。

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