新件番号 | 720 | 件名 | 北朝鮮有事における拉致被害者等の安全確保と救出に関する請願 |
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要旨 | 平成二十三年十二月に北朝鮮の金正日総書記死亡のニュースが流れ、その後息子の金正恩氏を後継者とする体制作りが進んでいる。このことは、これまで日本人拉致問題並びに北朝鮮による人権侵害問題の解決を目指して活動を続けている被害者家族や関係者にとっては、問題解決の好機と捉える反面、幾つかの懸念が上がっている。その懸念の一つとして、北朝鮮内部が騒乱状態となって日本人拉致被害者を始めとする外国人の生命及び人権が危険にさらされるようになった場合、これらの人々の安全確保と救出をどうするかが喫緊の課題として浮かび上がってくる。特に、拉致の可能性を排除できない数百名の特定失踪者については、昨年、東京にある四十四か国の大使館と二つの代表部を訪れた際にその存在を説明したところ、ほとんどの国が特定失踪者の存在を知らなかった。 ついては、北朝鮮情勢がいまだ不透明な現状に鑑み、北朝鮮有事の場合に備え、次の事項について実現を図られたい。 一、北朝鮮に公館を持つ国に対し、未帰国の政府認定拉致被害者と、拉致の可能性を排除できないとしてこれまでに警察に相談・届出のあった九百件以上の失踪者全ての氏名・性別・写真等の具体的情報を提供し、当該被害者及びその家族の安全確保に協力するよう依頼することを政府に求めること。また、国連決議等の場においては、我が国の拉致問題解決への取組に賛同を得ることを、これらの国々に対して積極的に働きかけるよう政府に求めること。 二、北朝鮮に公館を持たない国に対しても同様の情報提供を行うとともに、国連決議等の場においては、我が国の拉致問題解決への取組に賛同を得ることを、これらの国々に対して積極的に働きかけるよう政府に求めること。 三、政府認定未認定にかかわらず、全ての拉致被害者の安全確保及び救出は国政の最重要課題である。今後、あらゆる手段を用いて彼らの所在及び安否確認を行うとともに、彼らの救出のために必要なあらゆる法整備を早急に進めるよう政府に求めること。 |