請願

 

第180回国会 請願の要旨

新件番号 524 件名 建設産業の再生に関する請願
要旨  民主党政権と国会は、国民の生活第一を実現する政策を実行するべきである。建設産業では、建設労働者一人一人の懐をあたため、技術を継承でき、行政責任が果たされる産業をつくらなくてはならない。しかし、建設産業は近い将来に現場の担い手である建設労働者がいなくなるのではないか、という産業そのものが存続の危機を迎えている。これまで、大手中心の建設産業再編淘汰(とうた)、公共事業を始めとした建設投資の減少、建設労働者の劣悪な賃金・労働条件が抜本的に改善されずに若年労働者が建設産業に入ってこない、ということが主たる原因となっている。同時に国・地方の行政が縮小・民間化される動き、地域主権改革による国の出先機関廃止の動きも進められている。そうした状況の下で、昨年三月に発生した東日本大震災の被災地で、地域建設業・行政が救援・復旧活動に昼夜を問わず奮闘したことが広く評価され、その存在が見直されている。安心安全な国づくり・まちづくりの担い手であることを再認識し、建設産業を将来にわたって持続・発展させなければならない。
 ついては、東日本大震災からの復興、現在の建設産業をめぐって、国会が具体化すべき緊急な課題として、次の事項について早急に実現を図られたい。

一、建設産業の再生に関連して
 1 地方への補助金を含む公共事業の予算配分を生活関連や防災、公共構造物の点検補修などの維持管理に転換し、中小建設・建設関連業が優先受注できる施策を実施すること。
 2 学校や体育館などの公共施設を始め、住宅なども含めた建築物の耐震化一〇〇%を早期に達成すること。
 3 社会保険未加入企業の保険加入促進へ、法定福利費・労務経費の別枠支給を行うこと。
 4 地域維持JV方式が、中小零細業者の一方的排除につながらないようにすること。
 5 国土交通省の地方整備局・事務所・出張所の組織を拡充し、災害時でも迅速に対応できる体制にすること。
 6 一般競争入札など現行入札契約制度の下で、多発しているダンピング受注を防ぐために、受注企業の労働者に対する支払賃金水準を失格基準とすることや、国の制度として最低制限価格を設定するなどの制度改善を行うこと。
 7 二省協定の設計労務単価は、市場調査と標準生計費を考慮の上、建設労働者が「健康で文化的な」暮らしができるような価格とすること。

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