請願

 

第179回国会 請願の要旨

新件番号 483 件名 外来がん治療患者等の窓口負担の軽減に関する請願
要旨  我が国のがん患者は一九四万人と言われているが、医療の進歩は従来入院で行われていた抗がん治療などが外来診療でできるようになり、患者のQOL向上に寄与している。がんの治療も糖尿病のような慢性疾患と同様に進行や悪化を抑えながら長期の療養生活が必要になっている。しかし、現行の制度では、高額医療費の現物支給制度が外来では認められていないため高額の立替払が発生し、医療費の負担が患者の療養生活を圧迫し、治療の中断など命に関わる重大な事態も発生しており、高額療養費の現物給付を速やかに実施することを求める。同時に、現行の高額療養費の現物給付は七〇歳未満の上位所得者(多数該当)月上限八三、四〇〇円、一般(多数該当)四四、四〇〇円となっており、医療費だけで上位所得者が一年間に約一二八万円、一般でも約七三万円もの負担となり、負担の限度を超えており、早急に負担限度額を引き下げることを求める。高額療養費における高額長期疾病の特例は、著しく高額な治療を長期(ほとんど一生の間)にわたって必要とする疾患にかかった患者について、自己負担限度額を通常の場合より引き下げ一万円とすることにより、医療費の自己負担の軽減を図るものである。がん患者も高額の長期治療が求められ、この趣旨に該当し、高額な治療を長期にわたって必要とする疾患は増加しており、指定対象を拡大することを求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、立替払の解消へ、外来負担限度額を超える負担について現物支給を速やかに実施すること。
二、高額療養費の限度額を引き下げること。
三、長期治療が継続できるよう、高額長期疾病の指定対象を拡大すること。

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