請願

 

第177回国会 請願の要旨

新件番号 1240 件名 労働基準法違反の根絶を目指して、労働基準法違反に対する罰則をより重罰化するとともに、労働基準監督署の人員体制と監督権限を強化することに関する請願
要旨  労働基準法で定められている基準は、労働者が人間的な生活を営むために必要最低限のものであり、全ての労働の現場において遵守されなければならないが、この基準さえ守られない事例が頻発しており、労働者は本来不要である負担をより一層強いられる傾向にある。本来遵守されるべき法律が遵守されなかったために、金銭面で損害を被り生活苦に陥り、過労のため肉体的・精神的に限界を迎えて鬱や自殺にまで追い込まれる人々が後を絶たない状況を看過することはできない。こうした労働基準法違反はあってはならないが、様々な社会状況下の制約や、同法自体が抱える問題もあり、根絶には程遠い。労働をめぐる社会状況を改善し、労働基準法違反の根絶を目指す観点から、具体的には以下の二点を求める。第一に、労働基準法は違反行為によって得られる不当利益に比して罰則が軽微であるため、違反に対する抑止力を十分に備えておらず、同法の罰則を重罰化するよう求める。使用者は、労働基準法に違反することによって本来費やすべきコストを不当に軽減することが可能になり、労働基準法における罰則とは、違反によって使用者が得るであろう経済的利益を無に帰した上で、更なる社会的・経済的不利益をも違反者にもたらす程度には厳しいものであるべきであり、それでようやく現実的な抑止力として機能するものである。第二に、労働基準監督署の人員体制と監督権限の強化を行い、基準監督・違反取締りをより徹底することを求める。労働基準法の基準について使用者の監督を行い違反を取り締まるのが労働基準監督署の役割であるが、本来の社会的機能は十分に果たされておらず、事業者数に対する臨検監督実績も数%と大変低い水準にある。また、労働者が監督署に対して相談や申告を行った際にも十分な対応がなされず、労働組合を始めとした民間組織に頼るか、泣き寝入りするしかない。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、労働基準法の罰則を定めた各条を改正し、労働基準法違反に対する罰則を、十分な違反抑止が見込まれる程度にまで重罰化すること。
二、労働基準監督署の人員体制並びに監督権限を強化し、基準監督・違反取締りをより徹底すること。

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