請願

 

第177回国会 請願の要旨

新件番号 969 件名 TPP(環太平洋パートナーシップ協定)へ参加しないことに関する請願
要旨  菅首相は、二〇一〇年一〇月、臨時国会冒頭の所信表明演説でTPP(環太平洋パートナーシップ協定)への参加を検討し、アジア太平洋自由貿易圏の構築を目指すことを表明した。TPPは、全ての品目の関税撤廃を原則とする高度な自由貿易協定であり、この協定に加われば、多方面に深刻な影響が出ることは、政府の試算等でも明らかである。農林水産省の試算によれば、TPPによる農林水産業への影響は甚大で、我が国の食料自給率は四〇%から一三%に急落し、米の生産も九〇%減、砂糖原料や小麦などの生産はほぼ壊滅する。世界で食料危機の解決が待ったなしという状況の下で、日本が更に食料を輸入に依存することは許されず、食料・農業・農村基本法に基づき自給率を引き上げるという、政府が掲げた基本計画にも反する。影響は農林水産業にとどまらず、農水省の試算では関連産業を含めて三五〇万人もの雇用が失われ、経済産業省の試算で、TPPに参加しない場合に想定される雇用減八一万人をはるかに超え、北海道庁の試算でも地域経済への打撃は破壊的であることが示されている。また、労働者の移動や投資、金融などの規制も全て取り払われることになり、産業の空洞化や地域経済、雇用の破壊がますます進みかねない。TPPへの参加をめぐって問われているのは、「成長か農業か」ではなく、地域経済や雇用、国民の暮らしを破壊するかどうかである。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、TPPへの参加は日本の将来を危うくするものであり、参加しないこと。

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