請願

 

第177回国会 請願の要旨

新件番号 535 件名 介護保険制度の抜本的な改善を求めることに関する請願
要旨  三月に発生した東日本大震災は、未曽有の被害をもたらし、震災後の様々な困難は、取り分け高齢者に集中し、介護サービスを受けられない事態も深刻化している。国の責任で、利用者負担の免除、新規利用を含む制度の柔軟な運用、介護事業所への支援強化を図ることを求める。こうした中、介護保険制度の見直しが実施されようとしている。この一〇年、利用者が増加する一方、重い費用負担、予防給付、要介護認定や利用上限額など、制度の様々な仕組みが必要なサービス利用を困難にしており、特養の待機者は四二万人に達し、家族の介護負担も深刻化している。経済的な心配をせずに、介護を必要とする全ての人に必要な介護が保障される制度への転換が必要であると同時に、介護職員が誇りを持って働き続けられる条件整備も実現させなければならない。災害に強いまちづくりは、高齢者にとって優しい福祉のまちづくりの課題でもあり、介護保険制度は、それを支える大切な柱の一つである。財政事情を優先させた見直しではなく、介護の社会化を真に実現させる介護保険制度の抜本改善を求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、要支援者のサービスを削減しないこと。ヘルパーの生活援助サービスを拡充すること。
二、保険料、利用料などの費用負担を減らすこと。低所得者の負担を軽減すること。
三、要介護認定は一人一人の状態が適切に判定される仕組みに改めること。
四、特別養護老人ホームを始めとする施設の整備を急ぐこと。
五、介護報酬を大幅に引き上げ、介護従事者の労働条件を抜本的に改善すること。
六、以上を実現するために、介護保険財政の公費負担割合を引き上げること。新たに必要となる財源は、消費税増税ではなく、国と自治体の責任と負担により確保すること。

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