請願

 

第177回国会 請願の要旨

新件番号 452 件名 受刑者の円滑な社会復帰の基盤整備によって再犯減少を実現することに関する請願
要旨  犯罪の発生減少は社会全体、国民全員の悲願であるが、受刑者に更生意欲があり改心しても、出所後誰も雇ってくれず住む家もなければ更生することはできない。受刑者の作業報奨金は平均月四、〇〇〇円、最高でも一〇、〇〇〇円程度であり、賃金とは理屈は違うものの低額であり、その報奨金すら法律によらない規程によって減額され、更に更生学習教材や文具購入費を引かれ最終的に出所時に受け取れる金額はたかが知れている。身元引受人もいない出所者が社会復帰に不可欠である住居や就労の確保をするには、十分な資金と言えない。また、制度上はハローワークで職業紹介を受けられるが、住居もない出所者が就職できるケースはほとんどない。すなわち、犯罪の減少は誰もが賛成しているにもかかわらず、実現するために欠かせない手段・環境の整備がなされていないため、むしろ再犯を増加させている。犯罪は社会で発生するものであり、社会自らの問題として受け止めるという考え方がなければならず、この考え方が後退すると行刑理念そのものが成り立たなくなるばかりか、心豊かで明るく安心安全な社会を目指すという理想も否定することになる。受刑者は社会復帰することが前提であり、本人の努力に加え社会の適切な援助があってこそ更生でき、更生に理解と協力がなされず社会的援助が欠ければ再犯しか選択の余地がなくなってしまうという構造を直視することが重要である。犯罪の少ない社会、そして一度過ちを犯した人でも悔い改めてやり直しのきく社会、再チャレンジできる社会の実現を追求し、血の通った改革を求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。(資料添付)

一、作業報奨金基準額を月額二〇、〇〇〇円以上保障すること。
二、出所者に対する住居や就労の確保のための貸付金制度を作ること。

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