請願

 

第176回国会 請願の要旨

新件番号 1 件名 司法修習生の給費制の存続に関する請願
要旨  二〇〇四年一二月、司法修習生への給費制を廃止して、国が司法修習生に修習資金を貸与する制度(貸与制)に切り替える改正裁判所法が成立した。同改正に際しては、衆参両院で附帯決議がなされ、「統一・公平・平等という司法修習の理念が損なわれることがないよう、また、経済的事情から法曹への道を断念する事態を招くことのないよう、法曹養成制度全体の財政支援の在り方も含め、関係機関と十分な協議を行うこと」が明記されているが、同改正法自体に手が加えられることはなく、施行期日は、本年一一月一日に迫っている。日弁連が行った二〇〇九年一一月のアンケート結果によると、司法修習生の一、五二八名のうち、奨学金などの債務を負担する者が半数以上おり、平均負担額は約三一八万円で最高負担額は一、二〇〇万円である。また、法科大学院入学のための適性試験志願者数は減少し、社会人入学者の割合も減少している。このような状況下で給費制が廃止されれば、法律家を目指す人が更に減少し、附帯決議が指摘した弊害「経済的事情から法曹への道を断念する事態」が生じる可能性が大きい。医師については二〇〇四年以降国家試験に合格した医師には二年間の臨床研修及び研修専念義務が課される一方、研修医が研修に専念できるよう、相応の予算措置がなされている。期待される役割の公共性・公益性において医師と法律家には共通点が多く、法律家は市民の「権利の守り手」とも言うべき役割を果たしている。法律家になるために修習専念義務を負う司法修習生についても医師と同様に、給費制を存続すべきである。
 ついては、有為で多様な人材を法律家として社会に送り出すため、次の事項について実現を図られたい。

一、司法修習生の修習費用の給費制を存続させるため、裁判所法を改正すること。

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