請願

 

第176回国会 請願の内閣処理経過

件名 北方領土返還促進に関する請願
新件番号 327 所管省庁 外務省 内閣処理経過受領年月日 H23.6.13
処理要領 一 北方四島の返還要求について、改めて国会において決議することについては、立法府の判断に委ねられるべきものであると考える。

二 北方領土問題については、これまで戦後六十五年以上にわたり議論されてきたが、いまだにこの問題が解決されていないことは誠に遺憾である。
 政府としては、北方四島の帰属の問題を解決して、平和条約を締結するとの基本方針の下で、精力的にロシア連邦政府との間で交渉を行ってきたところである。
 具体的には、平成二十二年十一月に行われた日露首脳会談において、菅直人内閣総理大臣から、メドヴェージェフ・ロシア連邦大統領に対し、メドヴェージェフ大統領が国後島を訪問したことは、我が国の立場、そして、日本国民の感情から受け入れられないとして抗議した。これに対し、メドヴェージェフ大統領からは、ロシア側の基本的立場を踏まえた発言があった。また、菅内閣総理大臣から、北方四島の帰属の問題を最終的に解決して平和条約を締結すべく、今後も両首脳間で議論していきたい旨述べたのに対し、メドヴェージェフ大統領からは、北方領土問題はロシアにとっても極めてセンシティブな問題である旨の指摘があった。その上で、両首脳は、領土問題の解決を含め、あらゆる分野での関係を強化していくことで一致した。
 さらに、外相レベルでも、平成二十三年二月に行われた日露外相会談において、領土問題をめぐり、前原誠司外務大臣(当時)からラヴロフ・ロシア連邦外務大臣に対し、北方四島は日本の固有の領土であり、その返還を求めるという日本の基本的立場を改めて明確に伝達するとともに、メドヴェージェフ大統領による国後島訪問以降もロシア政府要人の北方四島訪問が相次いでいることについて遺憾の意を伝達した。これに対し、ラヴロフ外務大臣は、従来のロシア側の立場を主張しつつ、平和条約問題について前提条件や一方的な歴史のリンケージなしに作業を行うべきであると述べた。このように、領土問題をめぐり、日露間の立場に大きな開きがあることが確認されたが、両外相は、これまでの両国間の諸合意に基づいて双方にとって受入れ可能な解決策を模索する必要があり、静かな環境の下で協議を継続していくことで一致した。また、同年三月に行われた日露外相会談において、松本剛明外務大臣とラヴロフ外務大臣は、領土問題について、日露の立場の違いを確認しつつ、静かな雰囲気で議論をすることで改めて一致した。
 政府としては、これまでの日露首脳間及び外相間のやり取りを踏まえ、今後とも、日露間の最大の懸案である北方領土問題の解決に向けて、ロシア連邦政府との間で粘り強く交渉を進めていく考えである。

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