請願

 

第175回国会 請願の要旨

新件番号 15 件名 小規模作業所等成人期障害者施策に関する請願
要旨  鳩山総理(当時)は、第一七三回臨時国会において、障害者自立支援法(以下「自立支援法」)の早期廃止について所信を表明した。障害は障害当事者とその家族の責任ではないにもかかわらず、普通に暮らすための必要な支援を私益とし、負担を強いるのが応益負担である。これは、「障害者の権利に関する条約」で定められた世界の水準に反している。自立支援法が実施され、やむなく支援を減らした人たちは少なくないばかりか、障害当事者とその家族にかかわる痛ましい事件は後を絶たない。もっと早くに自立支援法が廃止されていれば、こうした事件は防ぐことができたはずである。また、ここ数年、自立支援法を策定した厚労省官僚による不祥事が取りざたされたが、新しい法案は、国会の責任の下で、障害当事者と関係者の代表の参加によって策定することを求める。さらに、小規模作業所が存亡の危機にさらされている。小規模作業所は、長期にわたって国が公的な支援を放置してきたため、自治体の支援によって全国各地に設置された。ところが国は、自立支援法において、財政責任のあいまいな地域活動支援センターを制度化した。そのため、小規模作業所に対する補助制度を廃止した道県は五割(二〇〇八年八月一日現在)に及び、それらの自治体は、地域活動支援センターに変更したが、補助金が削減されたり、応益負担や日払制度が導入されたところもある。地域活動支援センターは、小規模作業所問題を解決するどころか、その矛盾を大きくした。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、障害者自立支援法を廃止して応益負担と日払制度をなくし、障害の谷間のない新しい法律を制定すること。法案の検討に当たっては、障害当事者や関係者の代表の参加を保障すること。
二、新しい法律の制定に当たっては、小規模作業所や地域活動支援センターの問題を根本的に解消し、関連する新たな事業体系に組み入れること。
三、障害の重い人々の働く権利を保障するために、福祉施策と雇用施策とを連結させた新たな就労支援策をつくること。
四、新しい法律は、「障害者の権利に関する条約」の水準に合わせるとともに、障害関連の予算編成に当たっては、OECD(工業先進国)の中間位の分配率を確保すること。

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