請願

 

第174回国会 請願の要旨

新件番号 1515 件名 重度視覚障害者に対する移動支援事業の拡充に関する請願
要旨  障害者の平等と社会参加の実現は、社会と地域の大きな課題となっており、社会参加の一歩は外出であり、歩行の安全・安心・利便の確保である。視覚障害者の歩行には、落ちる、ぶつかる、つまずく、迷うの危険と不安が常に伴い、取り分け、命の危険と背中合わせとなるのが駅ホームと横断歩道の歩行である。視覚障害者の駅ホームからの転落重傷事故は、一九九四年一二月から今日までに三四件発生している。また、横断歩道の歩行においては、生活道路の交通信号機に音が付加されていないために、横断歩道の場所、信号の色、渡る方向が分からずに歩くことを余儀なくされている。このような状況の下で、視覚障害者の安全で円滑な歩行を支援しているのが、外出の際にガイドヘルパーを派遣する移動支援事業である。障害者自立支援法の見直しに当たって、社会保障審議会は、「重度の視覚障害者の同行支援について自立支援給付とするなど、自立支援給付の対象を拡大することを検討すべきである。」と提言している。また、視覚障害者の就労は思うように進んでおらず、移動支援の費用負担は重くのしかかっている。視覚障害者の就業率は二一・四%であり、障害者の採用試験において点字試験が実施されていない自治体が多い。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、外出は、生活と社会参加の一歩である。そのサポートとしての移動支援事業を以下のように実施すること。
 1 十分な財源を確保すること。
 2 同事業を国の責任で実施し、地域格差をなくすこと。
 3 現在実施されているサービスを後退させないこと。
 4 同事業を無料で実施すること。
 5 支援の時間は、機械的に制限するのでなく、生活と社会参加の必要度を十分に考慮する施策にすること。

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