請願

 

第174回国会 請願の要旨

新件番号 957 件名 八ッ場ダム・霞ヶ浦導水・湯西川ダム・南摩ダム各事業の中止と現地住民の生活再建の早期実施に関する請願
要旨  去る八月の総選挙において政権交代が実現し、鳩山総理大臣は「コンクリートから人へ」を掲げ、前原国土交通大臣は就任早々、八ッ場ダム、川辺川ダムの中止と全国一四〇余りのダムの見直し、ダムに依存した河川行政からの転換方針を示した。以来、関係都県知事、現地周辺等から中止反対の声が上がり、混乱の状況にある。利根川流域では、大規模開発事業によって自然と人々の生活が大きく損なわれてきた。現在、首都圏で推進されているダムは以下の四事業で、総事業費の合計は一兆二千億円にもなり、国民が巨額の費用を負担しつつある。(一)八ッ場ダム(群馬県)は、吾妻川に国交省が建設中の総貯水容量一〇、七五〇万立方メートルのダムで、吾妻渓谷を喪失させ、地滑りの危険性をつくり出す。(二)霞ヶ浦導水事業(茨城県)は、霞ヶ浦と那珂川、利根川を結ぶ導水路を国交省が建設中で、那珂川等の魚類に致命的な影響を与えるので那珂川の漁協が反対している。(三)湯西川ダム(栃木県)は、鬼怒川の支川に国交省が建設中の総貯水容量七、五〇〇万立方メートルのダムで、湯西川渓谷の自然が壊されつつある。(四)南摩ダム(思川開発)(栃木県)は、思川の支川に水資源機構が建設中の総貯水容量五、一〇〇万立方メートルのダムで、流域の自然が失われようとしている。これらの事業は地元住民の生活破壊、自然環境の破壊、財政負担など様々な問題を引き起こしてきたが、日量六〇〇万立方メートルもの水余りを抱える首都圏にあっては、利水目的を失い、治水効果もわずかで必要性もなくなっている。このまま建設を進めれば多くの弊害を生み出し、子孫に大きな負の遺産を残すことになる。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、八ッ場ダム・霞ヶ浦導水・湯西川ダム・南摩ダム各事業の中止と現地住民の生活再建の早期実施を図ること。

一覧に戻る