請願

 

第174回国会 請願の要旨

新件番号 638 件名 膵嚢胞線維症の治療環境を実現することに関する請願
要旨  膵嚢胞(すいのうほう)線維症は、全身の外分泌腺(せん)の正常な働きが阻害される子供の慢性難治性疾患であり、粘度が異常に高まった分泌物による分泌腺の閉塞(へいそく)は、特に肺や膵で著しいため、呼吸や消化などの重要な身体機能を低下させる致命的な難治性疾患の一つである。欧米では約二、五〇〇人に一人と高率であるのに対して、日本では約三五万人に一人と推定される極めてまれな疾患である。欧米では、従来、この疾患の子供の平均余命は七~八歳であったが、現代医療の進歩と治療環境の改善により余命は三〇歳を超えた。しかし日本では、薬事法等の制限により、WHO等による国際的に標準化された治療が困難であるため、その余命は、一〇代半ばと考えられ、生存者は三〇名に満たない。さらに二〇歳までは、小児慢性特定疾患の対象疾患として、公費による治療費の援助が受けられるが、二〇歳以上では打ち切られる。欧米との治療格差を是正し、一刻も早い適切な治療環境を整えることが求められている。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、治療が困難な膵嚢胞線維症の疾患に必要な治療環境を整えるため、「難治性疾患克服研究事業」から、医療費が高額な疾患に対する医療費助成「特定疾患治療研究事業」の対象疾患とすること。
二、海外で基本的な薬剤として使用されている腸溶性消化酵素、吸入用抗生剤、吸入用粘液溶解薬等を認可し、保険適用とすること(資料添付)。

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