請願

 

第174回国会 請願の要旨

新件番号 460 件名 人間らしい働き方と暮らしの実現に関する請願
要旨  貧困と格差をなくし、安心して働き、暮らせる社会を実現することは、切実な願いであり、実効性ある雇用と働き方のルールづくりが必要である。労働者派遣法や労働基準法の改悪で、非正規労働者は労働者全体の三分の一にも達し、有期、派遣、請負、委託など不安定な労働契約の下、生活できない低賃金に置かれ、突然解雇・雇い止めされる不安にさらされている。ワーキングプア(働く貧困層)が一千万人を超えるなど、雇用破壊の下で労働者の賃金は下がり続けている。一方、正社員の四人に一人は健康を損なうほど長時間・過密労働を強いられ、過労死や自殺が続発している。働く者や中小企業を犠牲に、一部の大企業だけが利益を上げ続けており、この利益を適正に配分し、雇用と働き方のルールを確立すれば、ワーキングプアや過労死をなくし、人間らしい働き方と暮らしを実現でき、地域経済の衰退や中小企業の経営難も解消される。米国発の金融不安、景気後退を理由に、首切りや賃下げを強行することは、生活破壊を進め、内需を冷え込ませる悪循環になり、日本経済の再生のため、労働者の生活を改善し、男性も女性も仕事と家庭生活が両立できるようにする必要がある。
 ついては、労働者が将来に希望を持ち、人間らしい働き方と暮らしができるよう、次の事項について実現を図られたい。

一、首切り・人減らし「合理化」を厳しく規制するとともに、雇用と生活の安定による内需拡大を進めること。
   国際的な金融不安・景気後退の付けを労働者に押し付けないこと。中小企業等への支援策を抜本的に拡充すること。
二、雇用破壊の原因である労働者派遣法を抜本的に改正すること。
   労働者派遣は臨時・一時的、専門性の高い業務に限定し、派遣先正社員との均等待遇を義務付けること。日雇・登録型派遣は禁止すること。偽装請負・違法派遣にはみなし雇用制度を導入すること。
三、最低賃金を全国一律で時給一、〇〇〇円以上に引き上げること。
   改正最賃法に基づき生活保護との整合性を図るなど、人間らしい生活ができる水準に最低賃金を全国一律で引き上げること。
四、長時間労働を規制し、過労死のない社会を実現すること。
   時間外労働は月四五時間、年間三六〇時間を法の上限とすること。時間外の割増率を五割以上に引き上げること。有給休暇の一〇〇%取得を使用者に義務付けること。
五、賃金・労働条件の均等待遇原則を確立するとともに、有期雇用を制限すること。
   パートや派遣など雇用形態や性別に関係なく、同じ仕事を行う労働者の賃金・労働条件はだれでも同じにすること。雇用契約は期間の定めのない正規雇用を原則として、有期雇用を制限すること。

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