請願

 

第174回国会 請願の要旨

新件番号 134 件名 国民本位の充実した社会保障制度の維持に関する請願
要旨  少子高齢社会を迎え、社会保障制度の充実のための施策は政府の最重要課題となっている。平成二〇年一一月に社会保障国民会議の最終報告がなされ、「いままで、社会保障に関し、国民が制度の哲学や理念、具体的運用などについてトータルに議論する場面は、残念ながらほとんどなかったと言えるであろう。」と述べられている。政府は平成一六年度から年金・医療・介護保険の各制度について、制度の維持を最重点課題として改正を行ってきたが、具体化の段階になって様々な問題が露呈している。年金については、年金記載漏れの解消が完了する前に、より悪質な記録書換えが露見し、制度運営に対する不信感からくる若年層の年金離れや急増する失業者の掛金未納など制度そのものが揺れている。介護保険制度は、介護認定の問題だけではなく、介護従事者が不足する深刻な状況が続き、医療保険制度についても同様で、後期高齢者医療制度、地域間格差の象徴とも言える病院や医師の偏在、不足などは社会問題となっている。社会保障の充実は国民の願いであり、社会保障国民会議の最終報告で言う「国民の安全と安心を支える社会保障」「全ての国民が参加し支える、国民の信頼に足る社会保障」の実現に向けた具体的な施策が求められている。
 ついては、政治の責任において、国民一人一人が安心して生活できるような社会保障制度の維持・充実を図るため、次の措置を採られたい。

一、国民の安全と安心を支え、信頼できる社会保障制度の構築のため、年金・医療・介護保険の諸制度の在り方についてはその場限りの対策ではなく、我が国の社会保障制度の将来を展望し、哲学や理念に基づいた統一的・総合的な視点に立った議論を深めること。
二、社会保障制度の見直しに当たっては、政府の責任において財源の確保と安心できる老後の生活を保障するための給付水準の確保をすること。
三、社会保障制度における給付と負担の世代間格差の緩和にも十分に配慮して検討すること。
四、定年後も働き続けたい人の労働環境の整備と充実が図れるような施策をすること。

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