請願

 

第173回国会 請願の要旨

新件番号 799 件名 吉の浦火力発電所冷却方式の変更等に関する請願
要旨  沖縄本島の中城湾は、開発工事等により汚染がひどく瀕死(ひんし)の状態にあり、漁業資源が著しく減少し、漁獲量も年々低下している。現在、沖縄電力が建設を進めている吉の浦火力発電所は「水中放水方式」を採用しており、完成すると冷却のため一日二一〇万トンの海水を中城湾から取水し、最大七℃上昇した海水を再び放出する。水産庁の「磯焼け対策ガイドライン」では、発電所の温排水を公害と位置付けている。事業主である沖縄電力からも「取水口から吸い込まれた卵・稚仔(ちご)の七〇%が機械的ショックにより死滅する」と説明を受けており、水中放水方式が採用された場合には、七〇%の卵や稚仔が死滅した「死の海水」が湾内の海流に乗り、閉鎖型の湾内に滞留して汚染に拍車を掛け、死の海に化することを危惧(きぐ)している。夏場は温排水が三六℃近くになると予測され、大腸菌・ビブリオ菌が大増殖することが学術的にも証明されており、増殖した菌は海流に乗り知念地先まで流れ、モズク、クルマエビ、海ブドウ養殖を中城湾から取水して行っている現状から、多大な被害を被る。大阪ガスが、海水を取水しない、温排水を排出しない、海に優しい「循環冷却塔方式」を採用した発電所を建設中であることが分かり、事業主と関係行政機関に対して、循環冷却塔方式への変更を求めてきたが、進展を見ない。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、吉の浦火力発電所の冷却方式を「水中放水方式」から「循環冷却塔方式」に変更すること。
二、吉の浦火力発電所稼動前後で中城湾全域における、潮流、海水温、水質サンプリング及び海洋生物の生態状況の調査を周年で実施し継続すること。
三、吉の浦火力発電所に関する協議の場を中城湾内すべての漁業権者に対して設定すること。

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