請願

 

第173回国会 請願の要旨

新件番号 638 件名 公共事業の法令遵守及び国土交通省の不適正な行政の是正に関する請願
要旨  近年、過労死や過労に伴う健康被害が深刻化しており、早急かつ適正な政府の対応が望まれている。平成二〇年度における全産業の年間労働時間の平均は一、八三六時間、取り分け建設産業は二、〇九八時間と深刻であり、実際には相当規模のサービス残業が存在する。また、厚生労働省によれば、全産業で過労による労災の認定を受けたのは六四六件(平成二〇年度)、取り分け建設産業においては、従業員一人当たりの過労による労災の被災リスクは、全産業平均の一・二倍である。この背景には、労働法規が遵守されていない下での企業間競争が行われている問題があり、政府直轄の公共事業においては事実上黙認されている。公平・公正が求められる公共事業では、法令遵守が大前提でなければならず、監督機関であり公共事業の発注機関でもある国土交通省はその徹底と是正措置に努める責務を負っている。しかし、国土交通省(近畿地方整備局)に対して、昨年五月より三度にわたり、これらの問題の是正と文書回答を求めたものの、行われていない。公共事業における企業モラル問題の深刻化によって、政府が直轄で管轄するライフラインの中枢で、国民の安全・安心が脅かされている。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、政府の直轄公共事業において、企業の社会的責任(CSR)やコンプライアンスが果たされた下での公平・公正な企業間競争が行われるよう、適正な措置を行うこと。
二、政府の直轄公共事業において、労働基準法等の違法若しくは不当な行為が明らかになった場合には、入札における評価(TECRIS)等への反映や、悪質な場合には指名停止、営業停止、さらには、許認可の取消しにも及ぶような有効な措置を行うことができる制度の策定を行うこと。

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