請願

 

第173回国会 請願の要旨

新件番号 24 件名 日雇(登録型)派遣禁止、労働者派遣法の抜本改正に関する請願
要旨  労働者の状態の悪化、貧困化が社会問題となり、取り分け派遣労働においては、日本を代表する大企業においてすら、偽装請負・違法派遣、労災隠し、二重派遣などの違法行為が常態化し、不安定な働き方の改善の必要性が指摘され、改正案が出されようとしている。派遣労働において権利侵害が著しいのは、派遣先企業は、労働者を現場で直接、指揮・監督する使用者でありながら、派遣元企業との取引を媒介させることで雇用責任を免れる、派遣元企業は、派遣先企業の契約を確保したいため立場が弱く、派遣労働者の権利保護を後回しにする、といった「間接雇用」「三面関係」からくる構造的な問題があるからである。派遣労働のこうした問題を解決するためには、雇用の不安定な登録型・日雇派遣を禁止すること、派遣対象業務を原則自由化した今の制度を見直して、専門性を持った業種に限定すること、違法な派遣を続けた場合は派遣先企業が直接雇用したものとみなす制度を導入すること、派遣料金のマージンを規制することなどが必要である。二〇〇八年四月に出された松下プラズマディスプレイ偽装請負事件の大阪高裁判決は、請負会社と松下側が結んだ業務委託契約が「脱法的な労働者供給契約」であったとして無効を宣告し、「黙示の労働契約」の成立を認めて松下側の雇用責任を認定した。この判決は派遣法改正(派遣先雇用責任強化)を後押しするものであり、派遣労働者がまるで物のように扱われ、不安定で低賃金の状態に陥っている事態を改善することは、日本の正常な社会発展のためにも緊急の課題となっている。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、現在の労働者派遣事業法を、派遣労働者を保護する目的の法律に抜本的に改めること。
二、派遣の対象業務を専門性が高く、臨時的・一時的な業務に制限すること。当面一九九九年以前の状態に戻すこと。その場合も常用雇用型派遣を基本とし、登録型・日雇派遣は直ちに禁止すること。
三、派遣期間を超えた場合や違法行為があった場合は、正規雇用労働者とみなす「みなし雇用」制度を確立すること。その際の雇用契約は、期間の定めのない契約とすること。
四、派遣労働者に正社員との均等待遇を保障し、年次有給休暇や社会保障などの権利を保障すること。

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