請願

 

第171回国会 請願の要旨

新件番号 2880 件名 農地法改正案撤回・廃案に関する請願
要旨  農地法改正案は、第一条(目的)から「農地はその耕作者みずからが所有することを最も適当であると認め」、「耕作者の農地の取得を促進」「耕作者の地位の安定」を図るという記述を削除し、「農地を効率的に利用する者による農地についての権利の取得を促進し」としている。また、標準小作料制度を削除するなど、現在の農地法の根幹である「耕作者主義」を否定し、大企業や外資系企業にも農地を取得する道を開き、農業への参入を促進する。国民の食糧を確保するために政府は、戦後の農地解放によって確立された「耕作者主義」に基づいて、家族経営を支援するというのが戦後農政の枠組みで、耕作放棄地の広がりが社会問題になっている原因は、現在の農地法や農民の努力の欠如ではなく、農産物の輸入自由化や市場原理等によって営農の継続が困難にされたためであり、農政の結果である。家族経営を否定し、国民の食糧生産と農業の担い手を利潤第一の企業に肩代わりさせることは、農家の経営と集落の共同の基盤を破壊し、農業の持続性を危うくする。今、必要なのは国際的な食糧需給のひっ迫に対応した食料自給率を向上させる農政であり、農家が営農を継続し、生活できる展望をもたらす施策で、地域を挙げて耕作放棄地を解消する努力に対する支援を抜本的に強化することにある。耕作者主義を削除して大企業の農地支配を許すことは、農業はもとより日本の将来に重大な禍根を残すものである。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、「農地法改正案」を撤回・廃案にすること。

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