請願

 

第171回国会 請願の要旨

新件番号 951 件名 難病患者などの医療と生活の保障に関する請願
要旨  難病等患者のほとんどは、病気の原因も治療の方法も解明されておらず、病気の進行さえ止められず、苦しい闘病、療養生活を余儀なくされている。難病や長期慢性疾患の患者は、長期にわたって治療と投薬を必要としている。福祉行政においても置き去りにされ、患者はもちろん家族も精神的・肉体的に辛い日々を過ごしている。国は一九七二年に難病対策要綱を策定し、医療費の自己負担の解消として、医療費の公費負担制度を継続してきたが、財政難を理由に制度を見直し、一九九八年より医療費一部患者負担を導入し、香川県単独事業も国に準じて一部患者負担になった。患者は、就職もできず年金生活を強いられる中で、医療費負担は大きな打撃であり、病院から遠ざかる結果にもなりかねない。また、介護保険の導入により、保険料の徴収、一割負担など、ますます苦しい生活に追い詰められている。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、難病
 1 すべての難病患者の社会復帰、就労、所得保障、老後保障の対策を進めること。
 2 線維筋痛症を国の難治性疾患克服研究事業の対象疾患に指定すること。
二、腎臓(じんぞう)病
 1 腎疾患総合対策の確立と高齢化対策の拡充を図ること。
 2 透析患者の障害者自立支援法による患者負担増の改善をすること。
 3 要介護透析患者対策並びに保健福祉の拡充を図ること。
三、肝臓
  全国どこでも肝炎の専門治療が受けられる治療体制を早急に整備すること。
四、パーキンソン病
  特定疾患治療研究事業について
   パーキンソン病など患者数が五万人を上回るとは言っても、効果的治療法未確立・全国的な規模で研究を行わなければ治療法の研究が進まないこと・生活面への長期にわたる支障が改善されていないことなどの事情を考慮して、今後も従来どおりこの制度を継続実施されるよう、予算措置等を図ること。
五、膠(こう)原病
  特定疾患医療受給者証の更新申請の場合、必要記入事項をもっと簡素化すること。
六、リウマチ
 1 既に承認されている治療薬が、必要な患者に使えるよう薬価を引き下げること。
 2 安全で有効性が認められている治療薬を早急に認可すること。
 3 医療費の助成制度を後退させないこと。
七、低肺機能障害
 1 日常生活用具の支給について
   今回、利用できるようになったパルスオキシメーターをすべての関係機関に趣旨の徹底をさせること。いまだに末端機関では混乱している。
 2 酸素業者の(質の向上)と監視体制の強化について
   当該医療機関が保守管理体制(外出、外泊、災害等を含む)を満たした業者と契約するよう、使用者(患者)の意見を聴取するよう検討すること。
 3 酸素発生器電力代金について
   国が半額支給をすること。
八、後縦靭帯(じんたい)骨化症
 1 黄色靭帯骨化症を特定疾患治療研究事業の適用疾患に追加するよう、厚生労働省に働き掛けること。
 2 後縦靭帯骨化症の進展を抑制並びに消滅させる新薬の開発に着手すること。
九、重症筋無力症
 1 原因の究明と治療研究、並びに、小児筋無力症の総合的調査と治療研究、治療ガイドラインの整備と普及を進めること。
 2 ステロイド療法の副作用、二次障害に追い込まれる要因を解明して、有効なステロイドの使用法、離脱法を確立させること。
 3 最近の新薬について、今ある諸制約を外して、多様な治療法の選択が可能になるようにすること(免疫抑制剤のプログラフやネオーラル等)。
十、潰瘍(かいよう)性大腸炎・クローン病
 1 潰瘍性大腸炎・クローン病を特定疾患治療研究事業の継続とすること。
 2 災害時における支援体制、医薬品の十分な確保と、避難所での食事と排泄(はいせつ)の対応、公衆トイレの充実を図ること。

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