請願

 

第171回国会 請願の要旨

新件番号 535 件名 離婚後の共同親権・両親による共同での養育を実現する法整備に関する請願
要旨  離婚後の子供の養育について定めた民法第七六六条には、別居親と同居親(子供を手元で育てている親)の面会交流の規定がなく、多くの親子が別居や離婚、事実婚の解消を契機に親子関係を絶たれている。裁判所での調停や審判、面会交流の取決めはできるが、手続は時間が掛かり、その間親子関係が断絶し、決定も一定の基準がないため恣意(しい)的かつ限定的であり、強制力がないため決定が守られない事例もある。また離婚に際し、子供の親権をどちらかに定める単独親権制度を採っている(民法第八一九条)結果、子供の養育の責任は一方の親に押し付けられ、親権を失った親には、子供を養育する責任がなくなり、その権利も法的に保障されない。親権を失えば、子供と交流できなくなるというおそれから、親権を奪い合う親同士の紛争は熾烈(しれつ)になり、離婚に際しての葛藤(かっとう)を高め、離婚後の親子の交流を一層困難にする。既に共同親権に移行した国では、緊急性のない親子の引き離しは子供への虐待とされているが、国内では、法制度と支援体制の不備により野放しにされている。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、民法第八一九条を改正し、本質的に離婚後も親の子供への権利義務は平等であるという視点から、双方の親の養育の権利と責任を明確にする離婚後の共同親権制度を導入すること。
二、別居、離婚後も双方の親が子供への養育にかかわれるように、面会拒否に対する強制力の付与など実効性のある離婚後の親子関係の法整備を行うこと。
三、困難な別居・離婚後の親同士の関係を調整するため、第三者による仲介への支援、安全な面会場所の確保、離婚後の親子関係についての親教育プログラムの提供、子の年齢に応じた面会交流のガイドラインの整備など、別居・離婚後の親子の交流を保障するための法整備を行うこと。

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