請願

 

第170回国会 請願の要旨

新件番号 1081 件名 格差社会をなくし、子供たちに行き届いた教育に関する請願
要旨  欧米諸国では、高校の学費を無償にしている国がほとんどで、学級編制基準も二〇人前後としている。日本では、小学校低学年からの学力の後れ、いじめ・暴力・不登校、高校中退、学級崩壊など、子供と学校・教育をめぐる状況は深刻になっており、事態の打開のため、三〇人学級の実現が国民的な世論となっている。それは、全国の自治体で独自財源による少人数学級が急速に広がっていることに示されている。また、教育費の父母負担は増加する一方で、家計に重くのしかかっている。取り分け、リストラや不安定雇用が増加し、家計を圧迫して、経済的理由による授業料の滞納・退学、修学旅行に行けない、学費や生活費の仕送りが困難になるなどの事態が急増している。こうした事態は、経済的格差を助長し、憲法の「教育を受ける権利」「教育の機会均等」の原則に反している。私学では、生徒の減少、私学助成の抑制、不況の進行などによって深刻な財政危機を招いており、そのために学費値上げを余儀なくされ、劣悪な教育条件を改善する見通しも立っていない。
 ついては、すべての子供たちに行き届いた教育を進め、心通う学校をつくるため、次の事項について速やかに実現を図られたい。

一、私学助成の国庫補助制度を堅持し、私学助成を大幅に増額すること。
二、教育予算を大幅に増額すること。また、地方の教育費を増やすために地方交付税を増額すること。
三、国の責任で小学校・中学校・高等学校の三〇人以下学級を実現すること。また、子供たちと直接向き合う教職員を増員すること。
四、義務教育費国庫負担制度を維持・拡充し、国の負担率を復元すること。
五、障害を持つすべての子供たちの教育の充実に向けて、教職員を増やし、教育条件を整備すること。
六、教育費の無償化を目指し、就学援助制度及び授業料減免制度を抜本的に充実すること。教育費の父母負担を軽減すること。
七、当面、年収五〇〇万円以下の家庭の高校・大学の授業料を無償とする制度を実現すること。

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