請願

 

第170回国会 請願の要旨

新件番号 977 件名 行き届いた教育の実現に関する請願
要旨  心痛む少年事件が相次いでいるが、子供をめぐる様々な困難を打開するためにも、すべての子供たちに基礎的な学力を身に付けさせるとともに、人間らしい発達を保障していくことは、重要な課題となっている。これは、憲法・教育基本法が学校教育に要請する基本任務であり、父母・国民の最も基本的な教育要求にこたえることである。何よりも父母・国民が求めている教育的要求は、少人数学級の実施である。今年度では東京都以外の道府県で何らかの形で少人数学級が実施されているが、地方の財源には限界があり、国の責任による少人数学級の実施が求められている。そうした取組を進めていく上で重要なのが義務教育費国庫負担制度と私学助成制度である。両制度は、教育の機会均等を保障する根幹としての財政制度であり、これを縮小・廃止することは、子供の教育に重大な困難を生み出す。義務教育費国庫負担制度と私学助成制度が、小泉・安倍構造改革の下での三位一体の改革によって、危機に立たされている。取り分け、財務省・総務省は、義務教育費国庫負担制度と私学助成制度の廃止などをねらっている。さらに、岩手・宮城内陸地震等の災害が相次いだが、子供たちの安全を守るため、耐震診断・耐震工事、校舎老朽化に対する整備など、教育条件整備の課題も山積している。
 ついては、憲法・教育基本法に規定された国民の教育権を守り、教育の機会均等を保障するため、次の事項について実現を図られたい。

一、私学助成の国庫補助制度を堅持し、私学助成を大幅に増額すること。特に、経常費二分の一助成を実現すること。また、授業料直接助成、施設助成を実施すること。
二、就学援助・授業料減免制度、奨学金制度などを後退させず、充実すること。教育費減税を行うなど、教育費の父母負担を軽減すること。
三、国の責任で小中高の三○人以下学級と教職員定数増を行うこと。私学で三○人学級を行うための特別助成を実施すること。
四、行き届いた教育を進めるために、教育予算を増額すること。
五、どの地域の子供にもひとしく教育を保障するために、義務教育費国庫負担制度をなくさず、堅持・充実すること。
六、障害児学級・学校・寄宿舎をなくすのではなく、増やすこと。通常学級に在籍する障害児等の教育条件を整備すること。

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