請願

 

第170回国会 請願の要旨

新件番号 904 件名 日本軍慰安婦問題に関して、政府の誠実な対応を求めることに関する請願
要旨  二〇〇七年七月、アメリカ下院議会は、日本軍が女性を強制的に性奴隷にしたことを公式に認め謝罪するよう日本政府に求める決議を可決し、同年一一月にはオランダ下院議会、カナダ下院議会で、一二月にはヨーロッパ議会で慰安婦問題に関する決議が可決された。政府が慰安婦の被害に遭った女性に対して、いまだ公式に謝罪も補償もせず、真相究明や責任者処罰をしないばかりか、教科書からもその記述を消して、なかったことにしようとしていることに、世界各国で批判が高まっている。一九九三年八月に、河野洋平官房長官は、慰安婦問題について日本軍の関与を認め、「おわびと反省の気持ちを申し上げる」とする談話を発表し、政府が国内に対しても国際社会に対しても謝罪は済んだと主張する根拠となっている。しかし、この談話は閣議決定を経ず、政府の公式の発言ではない上、謝罪に伴う賠償は行われず、その後も閣僚を含め政府の高官が国の責任を否定する発言を繰り返している。各国の決議は、被害女性を踏み付けにし続ける政府の姿勢を厳しく批判している。二〇〇八年三月、兵庫県宝塚市議会の「日本軍「慰安婦」問題に関して、政府の誠実な対応を求める意見書」可決は、国内外から共感を呼ぶ一方で抗議文や公開質問状も市議会事務局に届き、これらに共通しているのは河野官房長官談話を非難していることである。公開質問状では、強制的に慰安婦にしたことに疑問を投げ掛け、一部の国会議員や民間人による二〇〇七年六月にアメリカのワシントンポストに出された全面広告では、「慰安婦が当時の将校より高給を取っていた」と書かれていた。罪を認めないだけでなく、被害女性をうその宣伝で中傷することまで許しているのは、政府が不誠実な態度を取っているからであり、政府の誠実な対応を求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、日本軍「慰安婦」被害者に対して、公式に謝罪すること。
二、被害者の尊厳回復に努めること。
三、国家として補償をすること。
四、日本軍「慰安婦」問題の真相究明をすること。

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