請願

 

第170回国会 請願の要旨

新件番号 820 件名 学生・保護者の教育費負担軽減と私立大学への公費助成増額に関する請願
要旨  私立大学の受験から入学初年度に掛かる費用は、二〇〇万円を超え、大学進学に伴う負担は重くなっており、経済的な理由で進学を断念する青年や市民が多数存在するだけでなく、退学を余儀なくされる学生も年々増加している。こうした背景には、高等教育予算が欧米諸国に比べて低い水準にあることが影響しており、一五一か国が批准する国際人権規約の高等教育の漸進的無償化条項に対して、政府は留保し消極的な姿勢を続けてきたことが、世界にも類を見ない高学費を生み出す原因となっている。一九七五年に私立学校振興助成法が成立する際、私立大学における経常費補助を「できるだけ速やかに二分の一とするよう努める」と附帯決議したが、現在の経常費補助は一一・七%(二〇〇五年度)に据え置かれている結果、私立大学の教育・研究条件の改善・充実を進めるためには、学費に依存せざるを得ない。そして、政府は教育振興基本計画の策定に向けた議論の中で、日本を教育立国とする一方で、二〇〇七年度から五年間にわたって、毎年一%ずつ私大助成を削減する方針を決定し、二年間(二〇〇七・二〇〇八年)で六〇億円以上減額しているのは、矛盾した問題である。国民の教育を受ける権利を等しく保障するとともに、経済的格差の拡大によって大学への進学・修学が困難となっている学生・青年・市民への支援策を講じることを求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、私立学校振興助成法が成立した際の国会の附帯決議にのっとって、私立大学への経常費二分の一補助の実現を目指すとともに、現在の高学費負担を直接的に軽減するような施策(給付制奨学金、教育費減税など)を講じること。
二、無利子奨学金枠の拡大を基本とした奨学金制度の充実・改善を進めること。
三、各大学が独自に実施する学費減免措置、奨学金などの支援が十分に行えるような補助策を講じること。

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