請願

 

第170回国会 請願の要旨

新件番号 528 件名 食の安全と自給率向上、地域農業の振興に関する請願
要旨  政府は、貿易自由化を促進し、今以上に食料の輸入依存を進めようとしている。その結果、農業は生産が四二%も縮小され、自給率は一二%まで低下すると、農林水産省も試算している。今でも世界では八億人以上が栄養不足に苦しみ、五秒に一人の子供が死んでいる。アメリカなどの穀物大商社は、もうけのために食料さえバイオエタノールの原料にしており、穀物の在庫不足、価格の急上昇が起きている。国内生産を増やし、自給率を高めることは、食料の安定供給に欠かせないばかりか、世界の食料事情改善のためにも大きな貢献になる。政府は、アメリカ産牛肉の輸入条件緩和や、国内でも全頭検査をやめさせようとしているが、これは消費者の「食の安全・安心を」の願いに反する。輸入食料だけでなく、国内の食品企業による偽装などを根絶するためにも、表示制度やそのチェック体制の充実が必要である。食の安全・安心、安定供給のためにも、世界の国と人々が、食料を自分たちの国や地域で作る権利=食糧主権を確立することが求められる。日本でも、農民を農業から追い出すのではなく、産直や地産地消を支援するなど地域で農業を続けられる政策に切り替えることが必要である。
 ついては、消費者の安全・安心を求める声にこたえ、国が責任を持って食料自給率を高め、地域農業を発展させるため、次の事項について実現を図られたい。

一、国の責任で日本農業を守り、食料自給率向上を進めること。産直や地産地消を支援するなど地域農業を振興すること。EPA・FTAなど、これ以上の貿易自由化交渉はやめること。
二、食品衛生監視員の増員や安全基準・表示制度の充実で、食の安全対策を強化すること。
三、アメリカ産牛肉の輸入条件緩和はしないこと。BSE対策における牛の全頭検査は継続すること。

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