請願

 

第170回国会 請願の要旨

新件番号 379 件名 株式会社NOVAの破綻原因究明と被害者救済に関する請願
要旨  平成一九年に外国語学校株式会社ノヴァが破産して約一年が経過し、戦後最大の消費者被害と報道されたが、前払の受講料は一般債権のため受講生には返還されていない。多くの受講生が語学習得の機会を奪われ、いまだ救済されないまま泣き寝入りせざるを得ない状況に置かれている。国民生活センターによると、平成九年度~一三年度に寄せられたNOVAに関する改善要求は延べ二、六〇四件あり、破綻(はたん)の約一〇年前からトラブルが行政機関に伝えられていた。その後、拠点を九九四か所に急拡大した平成一八年度には改善要求が一、九四九件に増えたが、経済産業省が立入検査をしたのは、一九年二月であった。また、受講生への被害に関しては、だれも立件されないまま責任の所在も破綻に至った経緯も、うやむやのまま捜査が終了し、問題点も明らかにされないため、今後の被害防止にいかすこともできない。そして、NOVAのほかにも大手英会話スクールの倒産があり、語学学校の受講生にとっては今もなお不安な状況が続いている。
 ついては、語学習得を目指すすべての人が安心して受講できるよう、次の事項について実現を図られたい。

一、NOVAが破綻に至った原因の検証と責任の所在を明らかにするよう働き掛けること。
二、NOVAの破綻時の行政の対応について検証し改善すること。
三、語学学校破綻における被害者救済の法的措置を行うこと。
   具体策としては、事業者に受講生の前払金の一部を保全する義務を負わせること。受講生が被害を被った場合、受講生の債権の順位を優先するなど受講料が返金されるような措置を行うこと。
四、行政機関は語学学校におけるトラブルに関して迅速な対応と情報提供を行うこと。
五、受講生からの相談に対して各省庁間で連携して被害の防止に努めること。
   語学学校に関する問題は複数の省庁に関係するが、対応が遅れたりすることのないようにすること。新設される消費者庁が受講生に対する一元化した窓口となり各省庁間の調整をして対応すること。
六、受講生からの意見を行政に反映させることができるよう窓口の設置を行うこと。
七、語学学校に対する指導については、受講生の利益を最優先に考えて対応すること。
   さきのNOVAの例では、経済産業省の営業停止処分がNOVAの倒産を加速させたという批判がある。事業者への指導・処分は消費者への配慮を優先した上で取り組むこと。
八、安心して受講できるシステムづくりを語学学校業界団体に働き掛けること。
九、語学学校に対してレッスンの質にまで踏み込んだチェック体制の整備を行うこと。
   教育産業でもある語学学校に対して、より良いレッスンを提供するよう働き掛けること。
十、外国語習得を通じて、職業上の能力向上やより豊かな生活を実現できるよう支援すること。

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