請願

 

第170回国会 請願の要旨

新件番号 171 件名 東海環状自動車道に関する請願
要旨  御望山は断層が多く、家屋倒壊等の災害が起き、岐阜県より急傾斜地崩壊危険地域、岐阜市より崖地災害予防特別警戒地区に指定されている。平成六年、東海環状自動車道が御望山を通過する計画が公表され、国土交通省は一一年、安全性を確認するためとする「合意確認書」を交わし、一二年「御望山調査検討会」が設置された。検討会により、「トンネルを掘った場合、最も注意すべきは断層破砕帯を横切ることにより水みちが変わり、斜面への水の流出、土壌浸食、植生への影響等を通して斜面崩壊の素因を拡大するおそれがある」、「現在でも不安定な斜面に人為的工作を加えることは、斜面崩壊のリスクを増大させる」と指摘し、その上で「安全性は確認されない。計画を再検討するとともに、今後環境科学、防災科学の視点からも検討する必要がある」とする報告書が提出された(一八年三月)。国土交通省中部地方整備局は都市計画ルート案に三つのルート案(A・B・C)を加え市民アンケート調査したが、都市計画ルートを少し北へずらしただけのトンネルに固執したBルート案に民意を誘導する意図が明確で、報告書の内容を全く無視しており、ドライバーの安全性やメンテナンスの面から見ても最悪であることが指摘されている。検討会終了後、国土交通省は追加調査と称してボーリングを行い、懸念される断層や高破断域はなかったと述べたが(二〇年六月と七月)、データの公開を拒み、調査が正当に行われたか検証することができない。二〇年八月、検討会は国土交通省が保管する再調査を検討した結果、重大な誤りや問題があり、報告書の結論に修正を加えねばならない新事実は見出されないと指摘した。報告書を無視してリスクが大きくコストが最も高いBルートをあえて選択することは許されず、広報誌で提起した案に限ってみると、Cルートなら危険を回避できる上、移転家屋の問題を少し修正すればより安価にできる。生命を脅かす危険性や、それが現実となったときの責任は、子や孫の代にまで及ぶ問題で、長期的視野に立った行政を強く求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。(資料添付)

一、御望山トンネル計画をやめ、安全な道路建設を行うこと。
   これまでも、トンネルや道路工事に関係する重大事故が多く出ており、これらは安全性に問題ないと判断して造ったが、それが誤っていたことを示しており、ほかにより良いルートが取れる状況下で安全性が確認できない所を避けるのは当然である。

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