請願

 

第170回国会 請願の内閣処理経過

件名 身近な地域での安心して産める場所の確保に関する請願
新件番号 556 所管省庁 厚生労働省 内閣処理経過受領年月日 H21.6.3
処理要領 一 産科医の確保については、平成二十年六月に閣議決定された「経済財政改革の基本方針二〇〇八」において、これまでの閣議決定に代わり、医学部定員を早急に過去最大程度まで増員することを決定し、平成二十一年度の医学部定員を八千四百八十六名にしたところである。
 また、産科、小児科をはじめとする病院勤務医の負担軽減の取組を推進するため、平成二十年度の診療報酬改定において、約千五百億円をこれらの取組に充て、重点的な評価を行うとともに、平成二十一年度予算において、病院勤務医の働きやすい職場環境の整備、女性医師の離職防止や復職支援の充実等、実効性のある各般の対策を講じているところであり、今後とも地域医療とその担い手の確保が図られるよう取り組んでまいりたい。
 助産師については、地域において安心・安全なお産ができる体制を確保し、限られた医療資源を効率的に活用するという観点から、産科医との適切な役割分担・連携の下、正常産を扱うことができる助産師を活用する体制の整備を進めることが重要である。このため、助産師確保総合対策事業等により、産科診療所における助産師確保の施策に取り組むとともに、開校を控えた助産師養成所に対して、教員の確保に必要な経費の一部を助成するなど助産師の養成数の確保を図っているところである。今後とも、これらの助産師確保対策に取り組んでまいりたい。
二 地域において安心・安全なお産ができる体制を確保し、限られた医療資源を効率的に活用するという観点から、産科医との適切な役割分担・連携の下、正常産を扱うことができる助産師を活用する体制の整備を進めることが重要である。このため、平成二十年度より、医師と協働しながら、病院内で助産師が正常分娩を扱う院内助産所や、妊産婦健診や保健指導等を行う助産師外来の開設の支援を行っており、今後とも、院内助産所や助産師外来の開設の促進に努めてまいりたい。
三 産科医療については、限られた医療資源を重点的かつ効率的に配置して、医療機関相互の連携体制を構築していくことが有効である。このため、都道府県が中心となり、医療計画を通じ地域の医療機能の連携を図り、地域の医療関係者や住民の視点に立った医療提供体制の整備を進めているところである。
また、リスクの高い妊産婦や新生児等に対し高度の医療が適切に提供されるよう、各都道府県において、周産期医療の中核となる総合周産期母子医療センターの整備や、助産所を含めた地域の医療施設と高次の医療施設との連携体制の確保などを目的として、周産期医療ネットワークの整備を計画的に進めているところである。なお、周産期医療体制の整備の中で助産所の果たす役割を明確にするための通達を平成十八年十月に発出している。
さらに、周産期医療と救急医療との連携を図るなど総合的な対策を講ずることにより、安全でかつ安心してお産ができる体制の整備に取り組んでまいりたい。
四 嘱託医師及び嘱託医療機関の確保については、平成十九年度末時点で、嘱託医師及び嘱託医療機関の確保を希望している二百八十二箇所の助産所すべてについて嘱託医師及び嘱託医療機関が確保されたとの報告を各都道府県から受けたところである。
 今後とも、政府としては、助産所における分娩の安全確保をはじめ、周産期医療に関する各般の施策を講じ、地域における産科医療体制の確保に努めてまいりたい。

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