請願

 

第169回国会 請願の要旨

新件番号 3286 件名 日本学生支援機構(旧・日本育英会)奨学金の高利子化及び教育ローン化反対、無償教育に向けた公的奨学金の拡充に関する請願
要旨  奨学金は、経済的に苦しい学生が学ぶため、掛け替えのない命綱である。世界でも異常に高い学費の下、貧困と格差が広がる中、重要性は増すばかりであるが、政府・財界の中で、この奨学金を金融事業と位置付け、教育ローン化する動きが強まっている。閣議決定された「整理合理化計画」には、三%の貸付金利について、教育政策の観点等から、見直しを検討し、民間委託を推進することが明記された。奨学金は日本学生支援機構法成立時の附帯決議(二〇〇三年六月六日衆議院)にもあるとおり、無利子奨学金を基本としているが近年、有利子奨学金ばかり拡大し、成績と収入の基準を満たしても、四人に一人しか無利子奨学金を受けられない。さらに二〇〇八年度予算では、有利子が七割を占め教育ローン的性格が強められている。奨学金は本来、憲法の定める教育を受ける権利を保障するための制度であり、国は国民が安心して利用できる制度にする責任がある。ところが有利子の貸与月額が増える一方で、卒業時に数百万円の負債を抱えることに対して将来の返済不安から奨学金を借りづらくなっており、雇用条件の悪化から返したくても返せない若者が増えている。世界では、教育費の無償化を進めている国が圧倒的であり、国連も日本政府に是正を求めている。
 ついては、将来を担う若い世代がお金の心配なく学び成長できる奨学金制度とするため、次の事項について実現を図られたい。

一、国の教育予算を増額し、無利子奨学金を拡充すること。
二、有利子奨学金の「三%上限金利」「就学中は利子を付けない」等の規定を守ること。
三、教育の機会均等を保障する欧米並み(給与制中心)の奨学金制度をつくること。

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