請願

 

第169回国会 請願の要旨

新件番号 3124 件名 国有林内の天然林を環境省に移管し保全する改革に関する請願
要旨  林野庁は、平成一○年、国有林野事業の管理経営の基本方針を木材生産重視から公益的機能重視へ転換すると宣言し、三兆八千億円に上る累積債務を、国民の負担により処理するとともに、国民の期待に沿う国有林経営を行うことを法律に明記した。しかし、林野庁による過去五〇年余にわたる天然林の伐採により、日本の国有天然林は既に二五パーセントも失われており、ブナやヒバ、木曽五木を始め多くの日本固有の樹木は壊滅的とも言える被害を被っている。伐採現場の自然環境は完全に破壊され、森林再生を極めて困難にしている。林野庁は、今なお貴重な天然林を各地で乱伐し続けており、このまま天然林を扱うことは、日本に残存する貴重な森林生態系の消失を意味し、自然環境保全、生物多様性保全の観点からも由々しき事態である。本来、国有林は国民の共有財産であり、将来の日本に豊かな森を残す原動力になる。現在一部の山域で実施されているような入山禁止・規制措置は即刻撤廃し、だれもが身近に自然と親しむことができる、開かれた国有林保護政策が実施されることを求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、林野庁が所管する国有林内の天然林をすべて環境省に移管すること。
二、国民の共有財産、国有天然林のこれ以上の伐採を、直ちに中止すること。
三、地元生活者による山菜採取等の伝統的権利を保障し、だれもが自然に触れ合うことのできる、国民に開かれた国有林保護政策を実施すること。

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