請願

 

第169回国会 請願の要旨

新件番号 2773 件名 公営住宅に関する請願
要旨  政府は、公営住宅への入居収入基準二〇万円を一五・八万円に引き下げるとともに、都市部のほとんどの公営住宅家賃を五~一〇%値上げする政令改正案について、パブリックコメントを実施したが、多くの反対意見が寄せられ、地方公共団体からも異論が続出した。そのため政府は、実施時期を一年延期し、内容についても、修正して実施したいと明言していたが、二〇〇七年末に政令改正を強行し、二〇〇九年四月から施行することを決めた。この政令改正では、入居収入基準の上限の二〇%以上の引下げは当初案のままで、家賃については、修正を加えたものの値上げに変わりない。入居者は、老年者控除・定率減税の廃止、六五歳以上の年金控除額の引下げなどが家賃に反映され、収入は増えないのに所得が増え家賃負担は増えるという不条理を強いられ、高齢者が集住する公営住宅入居者の生活は、危機的状況である。その上に、大幅な家賃の値上げを受け入れる土壌はなく、家賃滞納者の増加に歯止めが掛からなくなるおそれがある。また、入居収入基準の大幅引下げは、新規に公営住宅への入居を希望する国民への門戸を狭めるだけでなく、入居者には、五年以内で近傍同種家賃が課せられ、大幅な家賃負担増で居住の安定が脅かされる。公営住宅の供給不足は、ホームレスやカフェ難民の増加につながり、住宅のセーフティネット機能を低下させ、国民の住宅不安の要因となっている。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、公営住宅の入居収入基準の大幅引下げ、家賃制度の改悪につながる政令改正を実施しないこと。
二、公営住宅の供給を拡大し、国民の居住の安定を図ること。

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